2019年に新R25で『ポケモン GO』の魅力をさまざまな角度から再発見する特集を組んでいただきました。今読んでも素敵なコメントを頂いていたなと思うので、まとめておきました。
第一回は脳科学者・茂木健一郎さん、テーマは「ポケモン GO×脳科学」。
「ポケGOって脳のジムみたいなもの」茂木健一郎が脳科学で語り尽くす『ポケモン GO』の魅力
いわく、「ポケGOって脳科学的にものすごく興味深いんですよ」
ポケGOは、現実世界のマップに配置されたポケストップ(※)をめぐりながら、街中に出現するポケモンを捕まえていくわけですがこの「外の世界を歩き回る」というのが、脳科学的には非常に重要なんですね。
「歩く」ってつまり、空間移動をするなかでベストな決断をしつづける行為なんですよね。
信号が赤になったからこっちへ進もうとか、こっちが楽しそうだから寄り道しようとか、現在地とまわりの状況を把握し、次の行き先を決める。
これって、脳科学的に見れば「ビジネスのビジョンを見極めるとき」と同じ回路を使ってるんですよ。
歩かない人はビジョンを立てる脳が育たない。
パソコンにかじりついてるだけじゃ、一流のビジネスパーソンにはなれないんですよ。
外を歩くと景色が変わったり身体の筋肉を動かしたりして、座っているよりはるかに豊富な種類の回路を使うわけです。人間の脳って、回路を切り替える回数が多いほど強靭になっていくんです。
要は「いかにいつもと違う使い方をするか」。同じ環境だけで脳を使っていると、いつも同じ回路を使うので、それなりの能力しか引き出せなくなっちゃう。
サッカーもホームゲームとアウェイゲームを必ず同じ数やりますが、そのように違う環境でプレーすると、ホームだけでやるより、脳の働きが向上するという調査もあるんです。
でも、最近のビジネスパーソンってみんな朝から晩までオフィスでパソコンに向かってるでしょ?
これ、脳科学的に見るとけっこうやばい状況なんだよ。脳を多面的に鍛えるチャンスを失ってるんだから。
やばいね(笑)。昼休みとか帰り道とか、1日5分でもポケGOやったらいいじゃん。
多くのポケストップを経由できるルートを組み立てながら、ポケモンをゲットしたり、ジムで他のトレーナーと戦ったり、脳の回路を総動員できる…
もう、ポケGO自体が「脳のジム」みたいなもんなんだからさ(笑)。
「ポケGO自体が脳のジム」すごい。更にレイドも。。。
あと、ポケGOって「レイドバトル」があるじゃないですか。
東京を歩いてると、何十人も大人たちが集まって「レイドバトル」やってる景色をよく見るけど、あれはもう完全に最近流行りの「ギグエコノミー」と同じ体験だよね。
ポケGOのレイドバトルは、チャットみたいに他人とコミュニケーションをとるツールもないし、誰かに自分を特定されることもない。
安心してプレイなさってください。
でも日本って変に真面目だから、ゲームを「ビジネスの邪魔者」みたいに敬遠しがちなんですよね。
これって世界的に見ると、かなり特殊な文化なの。
ゲームって、脳機能を向上させるとか、ビジネスに役立つとか、ポジティブな意味で研究してる国が多いんだから。
ゲームだからってナメてると、きっといつか大きな差がつきますよ。
ポケGOはおじいさんでもプレイできるくらい操作が簡単だし、オンライン・チームワークを体感するにはもってこいだから、普段オンラインゲームをしない人にもぜひ挑戦してもらいたいね。
茂木さん、ありがとうございます!
第4回は、元モーニング娘。の高橋愛さんが登場、テーマは「ポケモン GO×アクティブ」。
「ポケGOは私のなかで革命でした」高橋愛が『ポケモン GO』を始めてアクティブになった理由
ポケモンGOを始めたのは最近。でも始めてみたら。。。
はじめてみたらびっくり。
ポケGOは私のなかで革命でした。
今までのゲームって「外の世界をシャットアウトして没入するもの」だったので、「ゲームをする=家にこもる」だったんです。
でも、ポケGOはプレイすればするほど出かけたいと思うようになる。今日もここまで「ちょっと歩いてみようかな」って思えたんです。
寄り道したり、遠回りしたりすることが増えたので、ポケモンだけじゃなく「近所にこんなお店あったんだ」ってリアルな発見も多くて…世界が広がっていく感覚があったんですよね。
…歩いて運動する必要もあるし、まさに“運を集めてくれるゲーム”だと思います。
ポケモンGOを通じて、新たなコミュニケーションや知らない街を旅する楽しみも!
あと、ポケGOをはじめたことで、妹や旦那さん、マネージャーさんとも新しいコミュニケーションが生まれました。
もともと、旦那さんとはまったくゲームの趣味が合わなかったんです。
私はRPGが好きで、彼はパズルゲームを黙々とやっているタイプだったので、お互いゲームをやる時間が始まると基本は無言で。
でも私がハマりはじめたら、気になったのか「俺もポケGOやる」って言ってくれて!
今ではふたりでポケストップ探しながら歩いたり、「今日なにゲットした?」って報告しあったりしてます。
旦那さんはお笑い芸人なので、私もよく地方公演に一緒についていくんですけど、知らない街って1人で歩くのちょっと不安じゃないですか。
だからいつもおとなしくカフェにいたんですけど…ポケGOがあると「ポケモンを探す」という目的ができるから、知らない街を歩くのが楽しくなったんですよ!!
そうやって歩いてると、地図やネットを眺めているだけでは見つけられないお店がたくさんあるんです。
あと今までは、旅行番組を見て「いいな、行きたいね」と言うだけで終わっていたのが、ポケGOをはじめてからは、実際に二人で行くようになりました!
レアポケモンが地方にいるのを知ると、「ゲットしたいね!」って盛り上がって…
観光だけじゃなくて、「行く理由」がもうひとつ増えると、行動に移すスピードが上がるんだなって感じましたね。
やっぱり、外に出ていろんなモノを見たり、触れたりすることで自分の「好きなこと」って見つかっていくと思うんです。
そう考えると、ポケGOって、まだ自覚のない“好き”を見つけるきっかけになると思いますね。
「ポケGOがまだ自覚のない”好き”を見つけるきっかけに」素敵な言葉をいただきました。高橋さん、ありがとうございます!
第三回はGOの三浦崇宏さん、テーマは「ポケモン GO×旅行」。
GO三浦崇宏「『ポケモン GO』は、日常を面白くするのは自分次第なんだって教えてくれる」
みんな旅行したほうがいいという話から。。。
俺の大好きな芸人さんの言葉で「行った先に何かある」というのがあるんだけど、まさに「旅行に行ったことで人生が変わる」ってあると思う。
旅行は、“意図的に”自分の人生に変化を起こす手段なんだよ。
だから、ビジネスマンで成長したいという人は積極的に旅行したほうがいい。
でも、旅行に行けない人もいる。そんなときはポケモンGOを使ったらよいのではという三浦さん。
日常に「どんなことも面白がれる視点」があったらいいね。
それこそ、ポケGOを使えばいいと思うんだよ。
ポケGOの一番すごいところって何だと思う?
一番は「自分の生きている世界を再発見できる」ことなんだよ。
ポケGOには、いろんな場所に「ポケストップ」があるじゃん。
その「ポケストップ」があるところには、ちゃんと地名があるよね。
それってポケGOを通さないと気づけなかったものも多いでしょ?
そう。そういう普段だったら見逃しちゃうものに気づかせてくれるツールなんだよ。
だから俺は、ポケGOは「世界を再発見する補助線」だと思うね。
「ポケGOは世界を再発見する補助線」。いい言葉だ!
イギリスのドレス・レッシングという作家が「学びとは、人生のなかで理解したと思っていたことを新しい形で突然、理解しなおすことだ」って言っていて。
たとえば、俺はいつも赤坂の自宅から六本木のオフィスまで自転車で行くんだけど、タクシーで行くのと、自転車で行くのだと、世界の見え方がまったく変わるんだよ。
「この交差点って意外と車が通るんだな」とか「信号って意外と多いんだ」とかね。
逆に言うと、人間って思っている以上に世界をちゃんと見てないわけ。
俺は旅行で意図的に人生に変化を取り入れているけど、それ以前に、日常の見方を変えるだけでも、新しい発見をできるんだよ。
そう。ポケGOで、自分の歩いている道を見てみると、いつもは見逃していたオブジェや建物が「ポケストップ」になっていて立ち止まることがある。
「このビルの名前ってこんな名前だったんだ」とか「あんなところにもポケストップがあるんだ」ってね。
ポケGOは、日常的で凝り固まった自分の視野を広げるいい練習になるんだよ。
ポケモンGOで、日常が冒険に。
冒険って、日常を別の視点で非日常に変えることなんだよ。
たとえば六本木で外国の人だけに着目すると、歩いているだけで海外にいるような体験に変わる、とかね。
人生はつまんないとか、面白いことがないって言っている人は、もっと「冒険」したほうがいいよね。
ポケGOで遊んでいると、街を歩いているときに「もしかしたらここにポケモンがいるんじゃないか」とか、今までなんとなく渡っていた川にも「水辺だから、みずタイプのポケモンが多いんじゃないか」とか考えるようになる。
それってすごく日常がわくわくするじゃん。
世界の別の見方を発見すればするほど、人生なんて何倍でも楽しめるんだよ。
ポケGOは、日常が面白いか面白くないかってことに気づくのは君次第なんだって教えてくれるんだ。
「街に出たらいいことあるよ」なんて、みんなわかってるじゃん。
そして、それをより強く伝えるために広告はあるんだけど、ポケGOはコンテンツを使って実際の行動を生み出すのに成功したことに、俺はすごく嫉妬しているんだよ。
「ポケGOは、日常が面白いか面白くないかってことに気づくのは君次第なんだって教えてくれるんだ。」素敵なお言葉をありがとうございます!
第二回は編集者の箕輪厚介さんが「ポケモン GO×コミュニティ」をテーマにトーク。
1000人超のコミュニティを率いる箕輪厚介が分析する『ポケモン GO』が飽きられない理由
ポケGOのコミュニティは、「自分を俯瞰するツール」として使えそうだなってことですね。
会社以外のコミュニティに所属する価値ってなんだと思う?
一番の価値は、普段の仕事とは違う行動基準を持っている人と接することによって、自分の価値観が相対化されて、俯瞰した視点が身につくことなんだよ。
家と職場の往復みたいにコミュニティが固定化してると、価値観も固定化されて、視野が狭くなっちゃう。
そうなると、自分の人生を俯瞰して見られなくなっちゃうんだよね。「これって意味のない仕事なんじゃない?」とか「本当にこんなことやりたかったっけ?」っていう本質的な視点が持てなくなる。
思い詰めちゃう人、成長が止まっちゃう人は、大体視野が狭くなってるんだよ。
成長したいなら、人間関係のつながりをいくつか持って、もっと自由に軽やかに生きることが大事だと思う。
会社以外に3つくらい見つけられたらいいと思うな。
複数のコミュニティに所属するのって疲れそう。。。というコメントに対して:
だからこそ、ポケGOくらいのゆるい場所がいいなと思ったの。
ポケモン集めるにしても、バトルに参加するにしても、散歩に使うにしても、「プレイする目的を自分で選択できる」でしょ? このゆるさがいいよね。
コミュニティって、ゴールありきになると機能しなくなるんだよ。
幅広い年代の人がプレイするポケモンGO。
ポケGOって幅広い年代がやってるところがすごいと思うんだよね。街中で集合してるのを見ると、若者からお年寄りまでいるじゃん。
でも、このくらいゆるい方が、コミュニティが自然に活性化されて結果的に続くんだよね。
「ゲームは世の中の反映だ」って塩田さん(※)が話してたんだけど…
世の中に明らかな課題があってそれを達成しようという時代には、「レベルを上げて、仲間を増やして、モンスターを倒す」って明らかな目的があるRPGが流行った。
そこから、みんなの生活がなんとなく満たされるようになって「自分が何をやりたいかをゆっくり考えよう」というのが今の時代。
だからこそ、人それぞれ楽しみ方を持って自由に遊べるポケGOが世界が熱狂するレベルまで浸透したんじゃないかな。
今はオンラインとオフラインのかけ合わせが大事、と。
ポケGOってギフト交換とかオンラインでゆるく繋がる機能と、レイドバトルとかオフラインで実際に集まる機能の掛け合わせで、コミュニティが活性化されてるんだろうね。
最近、匿名掲示板があんまり盛り上がってないじゃん。今ってオンラインとオフラインの往復がないものはつまんないんだよね。
箕輪さん、ありがとうございました!