メインエントランスはこんな感じ。天井が東証に向けて末広がりになっているのでここが金運スポットなんだそうです。
一番ビックリしたことは、人がいないということ。
東京証券取引所ってかつてはものすごい人がたくさんいて、取引が活発に行われる場所だったわけです。
昔の東証の動画。
1985(昭和60)年頃撮影:立会場事務合理化システム導入前の立会場
この頃はハンドサインを使っていたそうです。例えば「トヨタ自動車」は片手でカタカナの「ト」を書き、両手でハンドルを握る仕草。「三越」は片手で「三」、手で頭を前から後ろに「越す」仕草。「NTT」は片手を耳にあてて電話で話す仕草、「キャノン」はカメラのシャッターを押す仕草。面白いけどめっちゃ間違えそう!誤発注怖い!
1989(平成元)年頃撮影:立会場事務合理化システム導入後の立会場
ところが今日足を踏み入れた広大な東京証券取引所は、私達見学グループと警備員と受付の方とライブ配信をしていたプレスの方2名を除くと、平日の10時という取引真っ盛りの時間にも関わらず、私が見かけた人間はたった一人。。。!
左の写真にいるお一人ですね。取引がみんなオンラインになった結果、取引のためにここにいる証券マンはゼロ。ガラスで囲まれた「マーケットセンター」の真ん中のところは、不正取引がないかをチェックするための方達が働く場所だそうで、コロナ前は10人ぐらいいたそうなのですが、コロナ以降はこの部屋に物理的にいるのは1人だけで、他の方達は別の場所で働いているとのこと。
ちなみに第二次世界大戦の終戦直後の東証の建物はGHQに接収され、米国海軍通信部隊の宿舎及びダンスホールとして利用されていたそうです。
下記は1960年の東京証券取引所の見学案内動画。1945年の終戦で焼け野原になった時からたった15年過ぎたばかりなのにこれはすごい。
1960(昭和35)年頃の東証見学案内
1974年に株価をリアルタイムで伝達するオンラインシステム稼働、表示装置設置。それまではなんと「黒板」だったんですね。
電光掲示板を見ながら、見学の案内スタッフの方が、何が表示されていて何が起きているのかを説明してくれます。9時に相場が始まって、まだ10時半なのに既に日経平均株価が262円も上がり、1.3兆円ぐらいの売買代金が。これは、一株8万円もするファーストリテイリングが前日比2,470円も上がっているのが大きいそうです。た、たしかに。。。!
見学が終わったら、「株式売買体験」ができるとのことなので、参加してみました。てっきり本物の株式を買うのを教えてくれるのかと思ったら、まさかのシミュレーション。1000万円持っているという想定で、一週間を早回しで動かし、色々な出来事が起きた結果株価が上下するのに対して、3つの会社の株を取引することで収益をあげましょうというもの。
結果、1000万円の元本に対して283万円の利益をあげて、一位を取ることができました!(「ニュース」をヒントとして出してくださるのに愚直に従っただけなので、実際はこんなにうまくはいきませんw)
見学者入り口のそばにはJPX記念グッズを販売しているショップのディスプレイもあるのですが、購入するのは自動販売機。徹底して人間がいない。
入り口付近に「証券史料ホール」もあり、株券など色々な物が展示されていました。
展示物はこちらからも見ることができます。
昔はすべての株式会社は紙に印刷された株券を発行しなければならなかったのが、今は「株券不発行制度」があるので紙の株券は発行されなくなりました。
私は紙の株券を見たことがなかったのですが、よくよく見てみると南満州鉄道会社の株券には列車が、トヨタの株券にはトヨタパブリカが、ヤマハの株券にはオートバイが、帝国燃料興業の株券には汽船や自動車が。
今やスマホでポチポチ株式が売買できて、「数字」しか見えませんが、株券というのはこんなにデザインされている物だったのですね。
海外の株券もすごいアーティスティックな物がたくさんありますね。
Historic share certificate Stock Photos and Images
取引所の外にある兜神社があるので、帰る前にお参りしてきました。
東証は誰でも見学できますが、コロナ禍になってからは予約が必要になりました。写真撮影OK、動画撮影NGでした。行ってみたい方はこちらから: