国連の日 #UNDay #UN75

Fumi
Oct 24, 2020

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今日、10月24日(土)は国連の日。しかも今年は記念すべき75周年

友達が UN Day 記念で24時間世界一周のラウンドテーブルをやるので参加してほしいとの依頼が急遽来たのでアジアの部に参加してきました。

未来について、世界中のみんなで語り合う。25年後、国連の100周年を迎えたときに、どんな世界を残したいのか。そのために何をすればいいのか、一人ひとりが考えよう、というもの。環境破壊、コロナなどの健康問題、紛争、難民問題、人権問題。次から次へと問題は発生していて、みんなが全てに関わることはできないけれど、一人ひとりが起こせる変化を一つひとつ起こすしかない。。。

時差のせいか、日本時間10:00–12:00のブロックはパネリストが私以外全員オーストラリアの人でした。

国連75周年アンケート120万人が回答

パンデミックから世界が復活するにあたって国際社会がプライオリティをあげるべきこと>ヘルスケア、被害が大きかった国やコミュニティの支援、国家と国民の絆の強化。

25年後までに実現してほしいこと>環境保護、ヘルスケア・人権・教育の向上、紛争の減少。

私達の未来に影響を及ぼすもの>気候変動と環境問題がぶっちぎり。

以下は、議論の一部のメモ。

Changing challenges to chances

最初のディスカッショントピックは「どうやってギャップを閉じるか」。世代間ギャップ、持てる者と持てない者、イデオロギーのギャップなど、ギャップはたくさんある。2つ目のトピックは目指す未来を作るにあたっての障害は何か

私が話したのは、昔は偉い人とか大きなメディアとかの声しか広まらなかったが、インターネットのおかげで一般市民の声もブログやソーシャルメディアなどを使って世界中に届けることができるようになった。だが、インターネットではお年寄りや貧困などの問題でインターネットを使えない人の声が拾えない。ただ、ピンチをチャンスにする例もある。福島の浪江町は、原発事故のせいで放射能汚染から逃れるため、町民が日本中に散り散りになってしまい、物理的にみんながface to faceで話をするのが不可能になった。高齢化のため、ネットを使えない人もいる。そんな人達も使えるように、散り散りになった町民たちにタブレットを渡し、お年寄りでも使いやすいアプリの開発が進められ、町民たちがつながることができるようになった。

現在、国際関係が大きなトピックになっていて、国家間の紛争はもちろん、Covid-19やヘルスケアに関する情報共有の重要性も高まっているし、経済にも影響する。逆に国家間の関係性向上で解決への道筋も開けてくる。

Embracing uncomfortableness

テクノロジーのおかげで人々がつながるようになったけれど、実はまだ世界の人口の半分はインターネットにつながっていないというデータもある。また、インターネットにつながっている人々も実は自分の意見に近い人達をフォローしているので、自分と似た意見しか拾えない、というタコツボ問題がある。

特にアメリカではリベラルと保守、右と左みたいな分断が激しくなっている。私がアメリカに住んでいたときの大家さんが2017年から「家族のサンクスギビングの食事が2回に分けて行われることになった」と言っていた。どういうことなのかと聞いてみると、トランプ政権になる前まではずっとサンクスギビング(感謝祭)の日は親族全員で集まっていたのだが、トランプ政権になってから家族の中でのイデオロギーの対立が表面化してしまい、一緒に食事どころではなくなってしまったという。

ただ、意見の対立をしている人達の意見も聞かないとエコーチャンバーになっていってしまう(同じことばかり聞いているうちに特定の信念が増幅されてしまう)。本当はFacebookやTwitter、Google News等が対立する意見も表面化するようにしてくれればいいのだが、人間というのは聞きたいことを聞いて心地よくなりたいものなので、プラットフォーマーはユーザーが見たいものを見せてトラフィックを稼ぎ、広告収入で成り立っていくビジネスであり、ユーザーが見たくない・聞きたくない反対意見を表示するメリットが薄い。

よって、みんなが意識的に自分と異なる意見を持つ人に会って話を聞くとか、反対のイデオロギーのメディアやSNSも見てみるとか、自主的に行わない限り、なかなか変化は作れない。長期的には、テクノロジー業界でもこのタコツボを脱する方法についてはかなり議論が行われているので、ソリューションが出てくるかもしれないが。。。

Participatory Government

政府のあり方も変わるべき。「国」や「国境」の意味合いも変わってきた。生まれた国と、パスポートと、今住んでいる国が異なるとか、二カ国に住んでいるとか、自分が住んでいる国と働いている会社の国が異なるとか、人の生き方も昔とはまったく異なっている。

「政治家」が政治を行うことが、現在の多様な社会の中で正しいソリューションなのか。民主主義も現状に合わせて刷新するべきなのではないか。すべてのテーマについて詳しい政治家はいない。市民がissue category毎に専門性のある議決権者を投票し、カテゴリーごとに意思決定を行ったとしたら。市民の声を直接政策に反映するためのツールは様々な物が開発され、世界中で様々な実験が行われている。たとえばDemocracyOSにはParticipatory budget(市民参加型予算編成)、Public consultation(市民参加型政策討議)、Crowd law making (市民参加型法律立案)などのツールが公開され、あちこちで使われている。

なんだか5年前にGoogle Social Impact teamで働いていた頃に議論していたこととあまり変わらないなあと思うものの、ガーナの大統領がParticipatory Governnanceをやろうと言っているという記事(Ghana: President Roots for Participatory Governance)を見つけたり、日本でも「デジタル改革 Idea Box」が公開されたり、少しずつ進んで入るのかな。

Collaboration by entities

Covid-19の結果、様々な分断が生まれる一方、コラボレーションも行われている。例えば、IBM・Amazon・Google・Microsoftがアメリカ政府と協力し、新型コロナ研究のためのスパコンの演算パワーを提供したり、Folding@Homeのように、コミュニティを中心に演算パワーを集め、Covid-19に対して特許フリーな治療薬やワクチンの開発を進めようとしていたり。

ピンチのときに、共通の大きな問題と大きな目標があると、様々なステークホルダーが動き出すという話の事例として、2012年に開催した「東日本大震災ビッグデータワークショップ — Project 311 -」の話をした。2011年にマグニチュード9.0の大地震を受け、たくさんの人達が情報のあり方について疑問をもった。日本は災害が多い国。データを振り返ることで、本当に必要なサービスは何だったのか、次の災害に備えるために今我々はどんな準備をすればよいのかを議論し、サービスを開発する。そのために、様々な企業から普段は門外不出のデータを提供してもらい、データアナリストやジャーナリスト、エンジニアやアカデミアなど、さまざまな業界の方に集まってもらい、データを分析したりサービスを開発するというワークショップを行った。提供データは、朝日新聞の記事データ、Google Trends、テレビ放送のテキスト要約データ、3月11日から1週間の全ツイートデータ、NHK総合テレビの大震災発災直後から24時間の放送音声書き起こし及び頻出ワードランキング、Hondaのカーナビの通行実績マップデータ、レスキューナウの鉄道運行情報/緊急情報/被害状況のまとめ情報、ゼンリンデータコムの混雑統計データ(人の移動の情報)。

ただ、一時的なピンチの時だけではだめで、「災害は恒常的に世界中で起きている。常に学び続け、動き続けないといけない」という話も出た。

Global Sessions

その他、どうやって人を動かすのか、新しい価値をどうやって創造するのかなど、2時間に渡って様々なトピックで議論を行い、APACセッションは幕を閉じましたが、その後22時間に渡ってメンバーをじゅんぐりに変えて、現在も対話が行われています。24時間見るのは不可能なので、サマリーが出るのを楽しみにしています!

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Written by Fumi

Currently explorer. Ex-Niantic, ex-Google, ex-NTT, ex-Interscope, ex-Technorati and ex-Digital Garage.

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