備忘メモ:円安とかイギリスとか

Fumi
22 min readSep 29, 2022

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日本にいると円安ドル高はものすごく認識するし、ヨーロッパに行くということでポンドやユーロに対して円がとても弱くなっていることは理解していたのだけれど、実際に海外にいくと円が全面的に弱いことを実感する。インフレしていると言ってもまだまだマイルドな日本の過ごしやすさ、ありがたさも実感。そしてイギリスがとてもとてもシビアそう。

ちなみにロンドンに行くと決めたのが出発する数日前で、直行便が取れなかったのでタイでトランジットしたのですが。

タイの空港

タイといえば昔は激安の国でした。日本で働いて稼いで引退してタイで悠々自適なんていう人もいたくらい。

今回、空港の中しかいなかったので市内に出ればおそらく物価はもっと安いとは思うものの、なんかちょっとバンコク空港で見かけた物の価格観が自分の感覚と合ってないことに気づく。

マクドナルド。ビッグマックセットが395バーツ。クオーターパウンダーのセットが415バーツ。むむ?

あれ?今バーツっていくらだっけ。というわけで見てみると1バーツが3.75円、0.028ドル。つまりビッグマックセットは1,500円、11.2ドル。1,500円。。。

日本だとビッグマックセットが690円(やっす!)、これにナゲット200円を加えて890円。

日本は物価が安くていいなあとか、海外に出ると高いなあとか、円が弱すぎてしんどいなあとか、まあ逆に考えれば海外の人たちが日本に来たら激安すぎて爆買いでこれから増えるインバウンドがチャンスだなあとか、改めて、身に沁みて、思いますねえ。わかってはいたけどねえ。

で、タイのビッグマック指数っていつのまに日本より高くなったのかなと思ったら、2018年には既に「なぜ日本のビッグマックはタイより安いのか」という記事も出ていて、2015年ぐらいには抜かれていたとのこと。

タイが日本のビッグマック指数を上回ったのは、2015年頃ということがわかります。

ちなみにこちらが2022年の世界のビッグマック価格ランキング。スイスとかノルウェーとか上位はそうだよなあと。タイは33位で日本は41位。

そして、日本でも、マクドナルドが値上げ発表。値上げ幅は10–30円とのこと。

【速報】値上げの秋 マクドナルドも値上げへ 商品の約6割を今月30日から値上げ

日本マクドナルドによりますと、今月30日から値上げするのは「ハンバーガー」や「マックフライポテト」、「マックシェイク」などおよそ6割の商品です。 店頭価格で「ハンバーガー」は130円から150円に、「ビックマック」は390円から410円に、「マックフライポテトのMサイズ」は280円から290円に、「マックシェイクのSサイズ」は130円から140円に引き上げられるなど、値上げ幅は10円から30円です。

人はマクドナルドのみにて生きるにあらず。他の物も空港内でプライスチェック。安くはないねえ。

コカ・コーラ 缶が45バーツ(168円)ペットが50バーツ(187.5円)

Evian 85バーツ(318円)

アメリカンコーヒーSが125バーツ(468円)、キャラメルマキアートLが205バーツ(768円)

ハムチーズサンド134バーツ(502円)

チャーシュー麺セット420バーツ(1575円)、ちらし寿司600バーツ(2250円)、枝豆42バーツ(157円)

ヨーロッパに行ってからはバーツのレートを全然見てなかったけれど、1バーツは3.97円まで円安が進んでた。。。今は3.79円。

ユーロとドル

8〜9月はずっとユーロ圏だったので、円は弱すぎて使えず、ずっとドルで生活してました。ドル強し。この、ユーロドルでドルがかけあがっていく感じとユーロ円で円が駆け下りていく感じ。。。。

アメリカはインフレが激しく、7月は9.1%。(今は8.3%)

アメリカに行く日本人にとってはインフレで価格が上がっているのと、ドルが強いのと、円が弱いのでトリプルパンチ。

高級ホテル並みの朝食代 環境車の主役が交代 姿を消した旅行客 米国で目にした日本の凋落

「ファミレスでの朝食が2人で8000円、カジュアルディナーのつもりが48,000円、ホテル代が2.3倍に」。。。

私がアメリカに住んでいたのは2018年までで、当時もアメリカの物価が高くて日本に帰ってくるたびに「日本は安くていいなあ」とのんきにも思っていたのですが、もはやアメリカの価格がgkbrすぎる。

レンタカー代から、ガソリン代、宿泊費、レストランでの食事代、カフェのコーヒー代にいたるまで、何から何まで高いと感じたが、中でも驚きが大きかったのは、外食費の高さだ。

ある朝、朝食をとろうと、ホテルの近くに見つけたパンケーキ・チェーン店「IHOP(アイホップ)」に入った。昔からあるパンケーキが売りのファミリーレストランで、家族連れに大変人気がある。この日も子ども連れの客などでほぼ満席だった。

すぐ席に案内され、大きなパンケーキ2枚に卵やソーセージなどがついたセットと、ジュース、コーヒーをそれぞれ2人分注文。食事を終えチェックを見ると、代金は税込みで52.85ドル。これにチップを乗せて60ドルをクレジットカードで支払った。その時も高いなと思ったが、帰国後、カードの使用明細書の8,223円(1ドル約137円)という数字を見て、改めて高さを実感。日本だったら、高級ホテルの朝食並みの値段だ。

アメリカだけではなく、カナダでも「トイレットペーパーが2000円」とのこと。いや、お尻は拭こうよ。

このインフレを抑えるべく、アメリカは0.75%の利上げ、日本を除く各国はほぼ利上げ、目立つ日本の緩和継続。まあでもアメリカはインフレを止めないとにっちもさっちも。。。

進み続ける円安に対して、22日には日銀が約24年ぶりの円買い介入、為替が乱高下。1ドル146円に接近したところから数十分で5円さがり、一時140円台後半に。介入の瞬間の動画が印象的でした。

まあ、でも一度の介入で円安が解決するわけではないので、戦いははじまったばかりですね。。。

コラム:早くも露呈し始めた為替介入の限界、長期化なら効果低減=佐々木融氏

9月22日午後、財務省/日銀はドル売り・円買い介入を実施した。円買い介入としては1998年6月以来、24年ぶりとなる。ドル/円相場は介入を受けて145円後半から140円前半まで5円超の下落となったが、1週間もたたないうちに144円台まで戻している

介入は円買い介入の時も、円売り介入の時も1回で相場の動きを止めた例が一度もない。1997年12月から98年6月に行われた円買い介入の時もそうだった。

過去に本コラムでも何度か指摘したことがあるが、皮肉なことに為替介入を始めると、逆に投機筋を引きつけてしまうことになると考えられる。今回の円買いも明らかにファンダメンタルズとは逆方向への介入であり、介入を行ってもすぐに円は売り戻される。そうすると、財務省・日銀は再び介入を行うか、レートチェックのようなことを繰り返し、また、短期的に円高になり、すぐに円安に戻る。

イギリス

イギリスも超大変。先週は債券・ポンド・株のトリプル安となりました。

日経平均株価は英国の“トリプル安(債券・ポンド・株)” による「世界同時株安」に巻き込まれて急落! 中長期の サポートを割り込んでおり、調整の深刻化に要注意!

一方、英国ではクワーテング財務相が9月23日、トラス新政権の当面の経済対策を発表し、公表済みのエネルギー価格の急騰対策に10月からの半年間で約600億ポンド投じると表明しました。また、2023年4月の法人税引き上げを止めて税率を19%に据え置き、2022年4月に1.25%引き上げた国民保険料も元の水準に戻します。さらに2023年4月から所得税の基本税率を1%引き下げ、住宅購入の際にかかる印紙税も引き下げます。英国政府は当面の資金調達を国債に頼る方針で、2022会計年度の国債発行計画を624億ポンド引き上げました。

これを受け、市場では英国の財政悪化懸念が急激に高まり、9月23日のロンドン金融市場で英国債の利回りが急騰。英国2年債利回りは4%を上回り、2008年10月以来、約14年ぶりの高水準になりました。また、英国通貨のポンドは対ドルで37年ぶりの安値をつけ、さらに英国株も下げたことで「債券安・ポンド安・株安」のトリプル安となりました。

減税により需要が喚起され、それがインフレ圧力となって金利を押し上げるとの見方が強まったことで、債券が売られました。そして、その金利上昇が英国景気を下押しする可能性が高いとの見方から株式が売られ、さらに、今回の対策が成長率を引き上げることが難しいとの見方から財政悪化懸念が強まってポンドが売られているのです。

ポンドは9月26日のアジア市場で、一時1ポンド=1.03米ドル台まで下げる場面があり、「プラザ合意があった1985年」の2月につけた過去最安値を下回りました。すでに1ポンド=1ドルの「パリティ(等価)」が射程圏内です。

先月、ロンドンに行ったとき、あまりの弱さで円は使えず(1ポンド160円ぐらい)、全て米ドル建てで支払ってました。多少でも持っててよかった、強いドル。。。。!一ヶ月前の時点でもほぼ1ポンド1ドルでした。

ロンドンもインフレがひどかった。

英インフレ率、過去40年で最高を記録 家計を圧迫

イギリスでは現在、物価上昇率が賃金上昇率を上回っており、生活費の高騰が家計を圧迫している。中央銀行のイングランド銀行は、インフレ率は年内に13%を超える可能性があると指摘している。

7月のインフレ上昇を後押ししたのは食品と非アルコール飲料。パンとシリアルは12.4%、牛乳、チーズ、たまごは19.4%、油類は23.4%それぞれ値上がりした。野菜や肉、チョコレートのほか、エネルギー、ガソリンとディーゼルの価格も上昇。トイレットペーパー、ペットフード、歯ブラシといった日用品も値上がりした。

運輸も大きな押上げ要因となっており、航空運賃や国際鉄道の運賃が特に上昇した。需要増に伴い、パッケージツアーの価格も上がっている。

ロシアのウクライナ侵攻を受けた世界的な食品価格の上昇が、スーパーマーケットでの買い物でかかる費用を押し上げている。ロシアとウクライナは共にヒマワリ油や小麦の主要輸出国だが、戦争によって供給が止まってしまっている。

インフレ率は、光熱費の上がる10月にさらに上昇すると予想されている。

一般家庭の光熱費は10月には3582ポンド、来年1月には4266ポンドまで上がる見込み。同月には、電気会社やガス会社が顧客に請求できる金額の上限がさらに引き上げられる。

イングランド銀は、2022年第4四半期(9~12月)から2023年末にかけてイギリス経済が縮小すると予測。今年後半にも景気後退(リセッション)に陥るだろうと警告している。

レストランを経営するシャフ・イスラムさんは、ホスピタリティー業界が大きな価格上昇に直面していると話す。

BBCの取材でイスラムさんは、「食塩からソフトドリンク、米、油、何もかもが値上がりしている」、「電気代は月1000ポンドから3000ポンドに上がった」と語った。そのため、コストの一部をメニュー価格に上乗せしたという。

「一般家庭の光熱費は来年1月には4266ポンドまで上がる見込み」!?1ポンド160円換算で68万円。。。しかもレストランの電気代3倍。。。ゴクリ。

賃金は上がってはいるものの、物価の上昇についていけていないので、ストライキがひどい。私がいたときも、地下鉄のストライキにあった。

ロンドンでは「ポケモンワールドチャンピオンシップス」の大会を見に行っていたのだが、私のホテルから会場はElizabeth Lineという唯一動いている新しい地下鉄で通えたので行けたが、元同僚は違うところに泊まっていて、ロンドン中の地下鉄が動いていないので会場に来るのをあきらめた。

ストライキで閉鎖された地下鉄の駅

私は、この日の夜はElizabeth Lineで行けるシアター街 West End でミュージカルのチケットを入手できたので喜びいさんで見に行って堪能したのだが、いざ帰宅しようと思って地下鉄駅に行ったらストはやらないはずの Elizabeth Lineがなんと早めに運行を終了したと。。。

しかたがないのでバスで帰ろうとするも、ロンドン中の地下鉄が全部止まっているので道路は大渋滞、バスもタクシーも全然来ないし、来ても満席で止まらず乗れない。しかたがないのでしばらく歩いて別の路線のバスに乗り込み、なんとかホテルまで帰り着くことができた。

しかしバスもその翌々週にはストライキを予定。このときは国鉄もストライキをしていて、ロンドンから郊外に遊びに行く予定だった人たちは予定をキャンセルせざるをえなかったとのこと。

交通機関だけではなく、ありとあらゆる業種がストライキをやっている。

こちらは7月の記事:

イギリスの「労働スト」がすごいことになっている

生活費が上がり続けているイギリスでは「不満の夏」が近づき、労働争議が拡大。弁護士さえもが賃上げを求めてストライキを行うようになっている。

刑事事件を担当する法廷弁護士が賃上げ闘争に加わる以前から、イギリスでは大規模な労働争議が展開されていた。

6月には、鉄道労働者が過去数十年で最大のストライキを決行。国を代表する大手航空会社ブリティッシュ・エアウェイズの従業員、公立学校の教師、医療従事者、郵便局職員もストを予告している。エネルギー価格の高騰を受けて、物価上昇率は2桁に急接近。税やローンの支払い負担も増していることから、長年見られなかったような強硬な賃上げ要求が繰り広げられるようになっている。

以前から逼迫していた公共サービスは、ついに一部で崩壊が始まったようだ。イギリス医師会によると、イングランドでは650万人近い患者が手術の順番待ちとなっており(その多くは膝関節や股関節を人工関節に置き換える手術、または眼科手術だ)、医療システム全体の人手不足は10万人に達している。

パスポートの更新も窓口の処理が追いつかないため、10週間の余裕をもって申請するようにとの案内が出されるようになった。政府によると、運転免許の試験を受けるのにも、平均して14週間待たなければならない状況となっている。

ロンドンにいた時にテレビでやっていたのが上述の法廷弁護士達のストライキ。6月からストライキが続いていて、たくさんの裁判がストップしているという。

こちらは6月の記事:

イギリスの法廷弁護士、かつらと法服姿でストライキ 報酬「低すぎる」

法廷弁護士たちは、法律扶助業務の報酬の15%引き上げ案に反発している。刑事弁護士協会(CBA)のメンバーは、引き上げ率が低すぎるとして、最低25%の上げ幅を要求している。

ストライキは4週間にわたる予定。1週目は27日と28日に、2週目は3日間、3週目は4日間、4週目は5日間、法廷弁護士は出廷しない。

英ロンドンの中央刑事裁判所(オールド・ベイリー)では10件の裁判のうち8件がストライキによって中断されたと、裁判所の外に集まった法廷弁護士は話した。

ドミニク・ラーブ法相は、複数の裁判所ですでに5万8000件が滞っており、今回のストライキは「正義を遅らせる」ことになると述べた。

CBA会長のジョー・シドゥ勅選弁護士によると、過去5年間で刑事専門の法廷弁護士が4分の1減ったという。昨年の離職者は300人だった。

8月の記事

英イングランドとウェールズの法廷弁護士、無期限ストを決議

英イングランドとウェールズで刑事裁判に携わる弁護士らが政府の法律扶助業務への報酬を巡り、9月に無期限のストライキに入ることを決議した。刑事弁護士協会(CBA)が22日、発表した。刑事裁判に大きな支障をきたす恐れがある。

法廷弁護士は新規案件の引き受けや同僚の案件への関与を拒否するなど、数週間にわたって断続的な行動を取ってきた。CBAによると、投票権を持つ会員のほぼ8割が無期限ストを支持した。

ダインズ法相は「これは無責任な決定で、さらに多くの被害者がさらなる遅延と苦痛に直面するだけだ」と批判する声明を出した。

9月の記事:

Barristers start indefinite strike action over pay in England and Wales

で、こんなに人々がインフレに苦しんでて、あらゆる業界がストライキをしていて、交通が止まったり、裁判が止まったりといろいろな業務に支障が出ている中、ボリス・ジョンソンさんからリズ・トラスさんに政権交代。もちろんコロナもまだ終わってないし、ウクライナ紛争、エネルギー問題、と山積みだ。本当に大変な時期に。。。頑張ってほしい!

【解説】 リズ・トラス氏はどういう首相になるのか

インフレを止めないと、経済に支障が出る。

そこで打ち出したトラス新政権の経済政策・大規模減税。これが財政悪化への懸念を呼んでしまい、ポンドや英国債の売りが加速、金利が急上昇し、国債価格が急落。

早くも破綻したトラス英首相の「富裕層のための減税」政策は、日本経済の近未来像か

リズ・トラス英首相の大規模減税で通貨ポンドが歴史的な水準まで暴落する中、最大野党・労働党のキーア・スターマー党首は27日、リバプールで開かれている年次党大会で演説し、「金利やインフレ率は上昇し、借金は増加する。政府は英国経済のコントロールを失い、ポンドを暴落させた」と批判した。

在位70年に及んだエリザベス女王死去の喪が明けた英国を待ち受けていたのは、財源なしで大規模な恒久減税を強行するトラス氏の経済政策「トラスノミクス」に対する市場の厳しい洗礼だった。高騰するエネルギー費対策として1500億ポンド(約23兆2900億円)、500億ポンド(約7兆7600億円)の恒久減税に市場は一斉にポンド売りに走った。

トラスノミクスは1980年代にロナルド・レーガン米大統領やマーガレット・サッチャー英首相が提唱したトリクルダウン(滴り落ちる)経済学による。政府は富裕層や企業に対し減税を行って成長を促す。税率が低ければ銀行は融資を増やし、起業や投資が拡大する。経済のパイが大きくなれば、富裕層や企業が受ける恩恵が労働者にも行き渡るという理論だ。

国際通貨基金(IMF)は「貧困層と中間層の所得シェアを増やすと成長率が高まる。上位20%の所得シェアを増やすと逆に成長率が低下する。金持ちがさらに金持ちになると、その恩恵は全体に行き渡らない」とトリクルダウン経済学を否定している。ジョー・バイデン米大統領も「トリクルダウン経済学にはうんざり。それは全く機能しない」とツイートした。

さて、この国債価格急落を見て、これはやばいと英中銀が緊急の国債購入。

9/28: 英中銀、市場安定へ長期国債を一時買い入れ 来週からの売却延期

英中銀は「市場の機能不全が継続ないし悪化すれば国内の金融安定に甚大なリスクが生じる。資金調達環境の正当化できない逼迫と実体経済への信用供与減少につながる」と指摘。介入する以外に選択肢はなかったと述べた。

しかもこれ、一週間前に政府が発表したのと真逆の行為。

9/22: 英中銀、国債の売却開始決定 連続で0.5%利上げ

英イングランド銀行(中央銀行)は22日、保有する英国債の市場での売却を始めると発表した。政策金利は0.5%引き上げて年2.25%にした。利上げは7会合連続で、8月上旬の前回に続いて通常の2倍の幅で実施した。インフレの圧力はしばらく根強いとみて、物価上昇を抑えるため金融引き締めを加速する。

今回の会合では、量的緩和策として過去に買い入れた国債の売却を始めることを全会一致で決議した。国債の積み上げは21年末に終え、22年3月から満期を迎えた分の再投資をやめて残高を落とし始めている。売却にも乗り出して金融緩和の手じまいをより積極的に進める。

イングランド銀行は9月21日時点で約8380億ポンド(約135兆円)の英国債を保有している。償還と市場売却を合わせて、向こう1年間で残高を800億ポンド減らして7580億ポンドとする計画だ。売却のための初回の入札は10月3日に実施する。国債の市場売却に踏み切るのは、今回の引き締め局面では主要中銀で初めてとなる。

英政府:インフレ抑制のため、金利を上げるよ、国債を売却するよ 、大幅減税するよー

市場:この減税はやばい、財源もないし財政悪化するんちゃう?→ポンド・英国債の売りが加速、金利が急上昇、国債価格が急落

英政府:国債を売却するって言ったけど前言撤回!このままだと市場の秩序がやばいので売却を延期し、逆に買うよー

市場:???

インフレを抑えるために国債を売却するはずだったのに購入するということはインフレを悪化させかねない。しかしこのまま国債を売却すると、国債の売りが更に加速してイギリスからマネーが逃げていく。進むも地獄、退くも地獄な。。。

。。。と思ったらイギリスの住宅市場でローン取扱い中止のニュースが。。。(@_@;;

英住宅市場崩壊も、ローン取り扱い中止や金利上げ相次ぐ-金融動揺で

英国では金利急騰を受け、住宅金融機関がローンの提供を一部取りやめ、住宅購入契約が急激に落ち込む恐れが出てきた。

最大手のロイズ・バンキング・グループは「住宅ローン市場の価格設定が著しく変化した」結果として、傘下のハリファクスが一部商品の取り扱いを中止すると発表し、ヴァージン・マネーUKも新規顧客への住宅ローンの提供を一時的に停止すると明らかにした。27日にはケンジントン、アコード・モーゲージズ、ホッジといった中小業者も追随した。

こうした動きは27日中に他の主要金融機関にも波及し、ネーションワイド・ビルディング・ソサエティーはさまざまな取扱商品の金利を28日から引き上げると発表。サンタンデール銀行も一部商品の取り扱いをやめ、他の多くの商品の金利を高くするとした。

イングランド銀行(英中央銀行)が1年前はわずか0.1%だった政策金利を来年9月までに5.9%に引き上げる見通しを金融市場は織り込んでおり、借り換えが来年必要になる180万人にとって住宅ローンの金利負担が急増する。

なんとか色々収まってくれることを祈ります。。。!

Trussonomics Mess Has Even France Fearing Contagion

This is a self-inflicted crisis at heart, but the scale of the turmoil also makes London look like a canary in the coal mine.

アメリカはドルが強いのでポンドみたいにはならないし、日本のインフレはそこまですごくないし、イギリスみたいにはならないと思いますが、「鉱山のカナリア」は今後も横目で見ておこうと思いました。

10/3 update: イギリス政府、更なるflip flop…

英首相、最高所得税率の引き下げ撤回-与党反発に屈し政権に打撃

10/19 update: 財務相解任、減税措置ほぼすべて撤回、ドル円はほぼ150円に。。。

英トラス首相、財務相解任し法人減税撤回 政権の足元揺らぐ

英財務相 “トラス政権の大型減税策 ほぼすべて撤回”

円トレーダー、介入巡り高度の警戒続く-ドル・円150円に一段と接近

10/20 update: トラス首相が辞任表明。はや!そして1ドル150円台つけました。

トラス英首相が辞任表明、経済混乱で引責 就任44日

円相場 一時1ドル=150円台 1990年以来 約32年ぶりの円安水準

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Currently explorer. Ex-Niantic, ex-Google, ex-NTT, ex-Interscope, ex-Technorati and ex-Digital Garage.

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