ちょっと前に開催されたトヨタさんの株主総会の話。私はトヨタさんの株持ってないので見てなかったのだけれど。
質問:ほかの多く会社が今期の見込みに対して「わからない」「できない」という中で、トヨタだけが5千億円の黒字見込みを発表した。その数値はあてになるのか?
<豊田社長>
あてになるかどうかでございますが、自動車産業は部品の75%を部品メーカーにお世話になっており、非常に多くの会社様のお世話になって成り立っている産業だと思っております。
トヨタが計画を出さないということは、ともに仕事をやっていただいている多くの仕入先様はじめ、いろんな方々が「どうすればよいのか」と大変お悩みになると思いました。そういう意味で、一つの基準となる計画を出したというのが本音でございます。
今回出した数字が“来期のあてになる数字”ということではなく、あくまで“ひとつの基準”でございます。
我々は、これをひとつの目線や計画としてではなく、“最低限、守らなきゃいけない基準”であると社内に伝えております。
何よりご理解いただきたいのは、リーマンショックの時の「販売台数15%減、赤字4600億円」だった会社が、みんなの努力で損益分岐台数を下げた結果、今回、リーマンの時よりも多い販売台数20%減にもかかわらず、こうして黒字を確保できる計画をお示しできたことは、まさしく、(株主の)皆様方の中長期にわたるご支援の賜物だと思います。この場を借りて御礼申し上げたいと思います。
トヨタの見込みはトヨタだけのものじゃない。部品メーカーほかを背負って立っている。コロナの影響が多大な中、勇気をもって見込みを出している。
マスコミの報道について、私も決算発表の当日は、いろんな方から「よく予想を出しましたね」「感動しましたよ」と言っていただきました。
ただ、次の日になると「トヨタさん大丈夫?」「本当に大丈夫なの?」と言われてしまい、一晩明けたときの報道の力に、正直悲しくなりました。
その見込に対して、マスコミの取り上げ方は、勇気を持って予想を出したことにではなく、「トヨタ8割減」という報道の仕方をしたからだ。豊田社長は続ける。
ロバを連れながら、夫婦二人が一緒に歩いていると、こう言われます。
「ロバがいるのに乗らないのか?」と。
また、ご主人がロバに乗って、奥様が歩いていると、こう言われるそうです。
「威張った旦那だ」
奥様がロバに乗って、ご主人が歩いていると、こう言われるそうです。
「あの旦那さんは奥さんに頭が上がらない」
夫婦揃ってロバに乗っていると、こう言われるそうです。
「ロバがかわいそうだ」
要は「言論の自由」という名のもとに、何をやっても批判されるということだと思います。
最近のメディアを見ておりますと「何がニュースか?は自分たちが決める」という傲慢さを感じずにはいられません。
「一億総ジャーナリスト」と言われるくらい誰もが情報を発信できる時代です。
情報によって人を傷つけることもできれば、元気にすることもできると思います。
大切なことは、「その情報を伝えることによって、何を実現したいのか」ということだと思います。
もっと言いますと、「どんな世の中をつくりたいか」ということです。
決算発表で、予想を出し、ああいう発言をしたのは、皆様に少しでも元気になっていただきたい。
皆様にトヨタが幸せを量産する会社だと思っていただきたいと思ったからでございます。
株主の皆様は、いわば「会社のオーナー」だと思っております。
トヨタが全てのステークホルダーに幸せをお届けしているか?、幸せを量産できる会社かどうか?を、厳しくも温かく見極めていただき、応援いただきますようお願い申し上げます。
いやもうこれそのとおりだなと思ってて。マスコミもSNSも批判ばっかり聞こえてくる気がしていて。閉塞感のあらわれなのかもしれないけど、もっとポジティブに、もっと未来を向いて、いいことがあったらもっといいことが起きるように。悪いことがあるなら何を直せばいいのか、次から悪いことが起きないようにすべきなんだと思うんだけど、批判批判で社会が萎縮してしまうのがとても問題だと思っています。
「ペンは剣より強し」と言われますが、その鋭い言論の刃を誰もが持った今、それを人を傷つけるために使うのではなく、世の中を少しでもよくするために使いたいですね。。。。
そしてこれ。
“トヨタひとり勝ち”と言われた豊田社長 11回目の株主総会⑤
質問:こうした“トヨタひとり勝ち”に対して、各社が不満を持っているんじゃないかと…その辺について、トヨタとして、どう考えているかお聞かせ下さい。
<豊田社長>
“ひとり勝ち”という言葉を耳にしましたが、ひとりも勝たなかったら、この国は一体どうなるのでしょうか?
そして、ひとり勝ったその会社が、その“勝ち”を何に使うのでしょうか?
私は、今のトヨタは、自分のためではなく、世の中のため、トヨタを普段から応援いただいている方々のために、この強さを使える会社に生まれ変わってきていると思っています。
ひとりでも勝たないと、このインダストリー(産業)は支えられないし、この国も支えられないと思います。
トヨタが目指している“この町いちばんの工場”も支えることができません。
大変な時期ではありますが…
大変な時期だからこそ株主の皆様に、その想いをご理解いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
一人勝ちでもいいから勝っている人、勝っている会社を作らないと。勝ってる人を引きずり下ろして国が全面敗北になっていっても仕方がない。勝ってる人、勝ってる会社をまずは作り、彼らが勝ちパターンやナレッジを広めて他の人も勝てるようにしていかないと、この国はやばいと思う。
ちなみにこれが世界時価総額ランキングトップ50、平成元年と平成31年の比較。トヨタしか残ってない。
2021年9月10日現在の日本企業の時価総額ランキング。