2023年ふりかえり

Fumi
66 min readFeb 15, 2024

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能登半島地震により、犠牲となられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。復興活動に参加してくださっている皆様に感謝申し上げます。

2023年は好奇心の赴くままに、面白い場所に行ったり、面白い人に会いに行ったり、面白い会社を訪問したり、新しいことを勉強したり実験してみたり、色々なイベントに参加してみたりしたので、少し振り返ってみたいと思います。

地獄の門

秋には念願のトルクメニスタンの「地獄の門」に行ってきました!トルクメニスタンの砂漠にあいた巨大な穴で、50年間もメタンガスが噴き出して燃え続けている場所です。2018年、会社員の頃に行きたいと思ったのですが、ビザもいるしネット事情もあまりよくないし、旅行者フレンドリーではない国だし、会社員をしながらだと行くのが難しい場所だったので、その時は隣国のウズベキスタンに行ったのでした。そこで、会社員でない今のうちに。。。と思って行ってきました。

テントまでは歩いていけるので、夜は何時まででもいられるし、朝は早起きして日の出前から堪能できます。炎を前に「炎!」。

トルクメニスタンの世界遺産、クニャ・ウルゲンチの史跡群も少しだけ観光。

ヨーロッパの旅

夏は一ヶ月ぐらいヨーロッパで過ごしました。ミラノデザインウィークに一度行ってみたいと思っていたので、開催される時期に合わせてイタリアのミラノへ行き、港町ジェノバへ。南フランスのニースに泊まり、カンヌ、モナコ、エズなど各地を回りました。飛行機でギリシャのアテネに渡り、以前から行ってみたかったサントリーニ島やメテオラへ。北欧はフィンランドは二回行ったことがあるのですが、今まで行き損ねていたデンマーク(コペンハーゲン)、ノルウェー(オスロ、ベルゲン、フィヨルド)、スウェーデン(ストックホルム)を旅しました。

ドーハ

ミラノへはカタール航空で行ったので、トランジットで立ち寄ったドーハで、トランジットツアーに参加してきました。

「砂漠の薔薇」と呼ばれるカタール国立博物館。美しい! スタジアム974。ワールドカップのため建てられたスタジアムの一つで、解体前提にコンテナで作られ、コンテナは必要な国に寄付するそうです。イスラム美術館。ドーハのダウンタウンを対岸から。ラクダたちとも会えました。

カタラ文化村。 ブルーモスク、鳩の棟、円形劇場。

スーク・ワキーフ(市場)。ラマダン中だったので人は少なかったです。

ミラノデザインウィーク

「ミラノサローネ国際家具見本市」に合わせて、ミラノの街がデザインで埋め尽くされます!

Maaten BaasとデニムメーカーのG-star RAWによるコラボ企画 “More or Less” の展示はなんと会場が教会で、教会に入るとどどんとデニムの飛行機があるというすごいインパクトの展示。なぜモチーフが飛行機なのかというと、ダボス会議に1500機ものプライベートジェットが飛んだと聞いて、サステナビリティについて問うにはこれだと思ったそうです。使われているデニムは、古いデニムを集めてきて、粉々にしたものを固めて新しく作ったマテリアルを素材にしたという循環型。

Louis Vuittonの “Objets Nomades” は会場がPalazzo Serbelloniという本物の宮殿。スタッフの方いわく「この宮殿はナポレオン・ボナパルトがミラノに滞在していた時に住んでいたところなんですよ」。

Google の展示は “Shaped By The Water”。地表の71%、人体の60%は水で、世界は水によって形造られている。そんな水がテーマ。 インスタレーションは4つ。1つ目は水に様々な周波数を与えて波紋を表現し、センサーを使って人との距離を測り、近づくと周波数が上がる。2つ目は、水の波紋を天井に投影し、それを寝っ転がって見るという物。音楽に合わせて水が踊ります。3つ目は、Pixelウォッチとおぼしき物が2つ台に乗せられているが、一つは表面張力で盛り上がった水。4つ目はハードウェアプロダクトが花の色からインスピレーションを得ているという物。

名物な Rossana Orlandi さんのギャラリー。おもちゃ箱をひっくり返したみたいなMissoni。Moooi x EveryHumanのアルゴリズム香水。ビル全体がパッチワークなRalph Lauren。宮殿(Palazzo Durini Caproni di Taliedo)が常設のショールームになっているEdra。Armaniも宮殿での展示でした。Audiの展示 “House of Progress”。

港町ジェノヴァは、海運が中心だった頃にものすごく栄えていたので、宮殿にしても教会にしても豪華絢爛。「レ・ストラーデ・ヌオーヴェ(新しい街路群)とパラッツィ・デイ・ロッリ制度(目録の宮殿群)」という制度自体が世界遺産になっていて、ガリバルディ通りを歩いていると、右を見ても左を見ても宮殿、宮殿。今や田舎の港町だけど、飛行機がなかった頃は海が交易・外交の中心だったことがよくわかります。

ジェノヴァの外れにある小さな漁村ボッカダッセ。カラフルでかわいい!

南仏での拠点にしていたニース。青い海が綺麗。。。!

コート・ダジュールの鷲ノ巣村をあちこちめぐりました。もっとも有名な鷲の巣村の一つ、エズ村。秘境のサオルジュ村。時が止まったような錯覚に陥るペイヨン村。サン・ポール・デ・ヴァンスはマーク・シャガールが愛して20年も住んでいたフォトジェニックな街で、彼のお墓もここにあります。

小さな港町、アンティーブ。世界初のピカソ美術館があります。元はグリマルディ城というお城で、アトリエを探していたピカソに市が提供し、ピカソはここで創作活動をしていたそうです。その頃の作品の大半はここに残され、その後ピカソ美術館になったとのこと。

絵になる小さな町、ヴィルフランシュ・シュル・メール。

モナコグランプリ直前で盛り上がるモナコのモンテカルロではカジノや大聖堂、大公宮殿、旧市街などあちこちに行きましたが、F1レースが街なかで行われるので、この時期は観客席の下とかピット前とかを通って目的地まで行くのが面白い。

映画の街、カンヌ。

ギリシャでは、ずっと行きたいと思っていた断崖絶壁の岩山の上に建つ修道院が有名なメテオラに行きました。実は修道院はたくさんあって、今回はヴァーラム・ステファン・メガロ・ニコラスの4つに入りました。

白い壁に青い屋根がかわいいサントリーニ島、そしてアテネではアクロポリスやハドリアヌスの図書館、ヘファイストス神殿にハドリアヌスの凱旋門、オリュンピア=ゼウス神殿などあちこちへ。

コペンハーゲンでは、おしゃれエリア「ニューハウン」やヒッピーコミューン「クリスチャニヤ」自治区、カステレット要塞に人魚姫。デザインミュージアム、アマリエンボー宮殿、フレデリック教会にチボリ公園など、あちこち行きました。ちょっと足を伸ばしてルイジアナ近代美術館やハムレットの舞台のクロンボー城にも行ってきました。

コペンハーゲンからオスロまでは、船で移動。船の中なのに温水プールやゲーセン、バンド演奏まであります。

オスロでは王宮、アーケシュフース城、国立美術館に新ムンク美術館など、あちこち駆け回りました。

オスロの民族博物館。ノルウェーの歴史について学べます。スターヴ教会もあります!

ハンザ同盟で栄えたベルゲンではブリュッゲン地区やフロイエン山、魚市場やハンザ博物館、ガムレベルゲンなどへ。

”Norway in a Nutshell”チケットを使い、ソグネ・フィヨルドへ。ベルゲンからヴォス、グドヴァンゲンに行き、フィヨルドのクルーズ船やミュールダールまでのフラム鉄道に乗るという王道コース。

ストックホルムの金ピカの市庁舎、王宮や衛兵の交代式、ノーベル博物館、ヴァーサ号博物館などなど。

ニュージーランドとニューカレドニアの旅

春には、以前から行きたいと思っていたニュージーランドとニューカレドニアに行ってきました。

世界遺産: フィヨルドランド国立公園のミルフォード・サウンド。車だと迂回して5時間かかるところ、今回はセスナで行ったので山を飛び越えて45分で着いてしまいます。空からの眺めも山あり・氷河あり・海ありで素晴らしい。

北半球のフィヨルドと南半球のフィヨルドを両方制覇してしまいました :D

「美しい街だ!ヴィクトリア女王にふさわしい。クイーンズタウンと名付けよう!」ということでクイーンズタウンと呼ばれるようになった美しい街。ゴンドラに乗ったりリュージュで山から滑り降りたり蒸気船でワカティプ湖を周遊したりジェットボートで川下りをしたり。明かりが少ないので星がきれいに見えます!

クライストチャーチは、まだ2011年の地震の傷跡が残っています。大聖堂は10年たった今も修復工事中のため、作られたのがトランジショナル・キャシドラル(仮大聖堂)。主要部分がボール紙で作られた世界でも珍しい大聖堂で、設計は日本人の坂茂さん。「Quake City」というカンタベリー地震の博物館にも行ってきました。

ターコイズブルーが美しいテカポ湖にプカキ湖。

世界遺産「マウント・クック国立公園」でタスマン氷河がゴロゴロあるタスマン・バレー・ウォークというトレイルをミニトレッキング。

Hobbitonがめっちゃ可愛かった!ロード・オブ・ザ・リングやホビット等の映画でホビット村「シャイア」として撮影されたロケ現場です。

ワイトモ洞窟の土ボタル。めちゃめちゃ幻想的で綺麗でした。基本撮影禁止、出口近くに撮影OKなところがあるのですが、真っ暗でスマホでは厳しい。。。三枚目はツアーのプロモーションの写真ですが、こういう感じで煌めく土ボタルがとても素敵でした。

以前から行きたいと思っていた「天国に一番近い島」、ニューカレドニア。せっかくヌメアのビーチの目の前のホテルを取ったのですが、「ワニに人が食い殺されたので海には入れません」。コロナで観光客が減った影響でしょうか。船で離島に行き、海に入れました。

石巻・女川に行ってきた&東北Tech道場をGDGに

日本国内もあちこち旅をして回りました。

東北Tech道場は11年目を迎え、2023年のキックオフを3月に石巻で開催しました。コロナ禍の間は東北に来れなかったのですが、せっかく久しぶりに東北に来たので、石巻の街を歩いてみて復興の様子を見たり、「石巻南浜津波復興祈念公園」や「みやぎ東日本大震災津波伝承館」、「石巻市震災遺構 門脇小学校」などを見学。更に少し足を伸ばして女川に行き、街を歩いてみたり、「東日本大震災遺構 旧女川交番」を見たりしました。

また、この機会に東北Tech道場をそれぞれGoogle Developer Group(GDG)のチャプターにすることにしました。

東北Tech道場2023年キックオフ開催&東北Tech道場がGoogle Developer Groupになりました!

福島に行ってきた

10月には福島を訪問し、被災各地を視察したり、現地の皆さんとウォーキングしながらお話を伺うチャットウォークに参加したりしました。「東日本大震災・原子力災害伝承館」や震災遺構「浪江町立請戸小学校」、「大平山霊園」、避難解除が解かれたばかりの双葉町、人口ゼロの土地からワイン造りに挑戦する「とみおかワイン葡萄栽培クラブ小浜圃場」、広野の火力発電所の夜景などを見てきました。

福島県からのメッセージは「来て」でした。

#ふくしまチャットウォーク day1

#ふくしまチャットウォーク day2

地中図書館に行ってきた

「地中図書館」という素敵な図書館があると聞いて、木更津のKurkku Fieldsに行ってきました。Kurkku Fieldsとは、農と食、アートと自然をテーマにした複合施設で、Mr.Childrenなどのプロデューサーだった小林武史さんがプロデュースしています。図書館は昼間は予約制なのですが、宿泊すると夜通し自由に図書館を使えると聞き、せっかくなので宿泊してきました。

トレーラーのおうちに泊まり、アート作品や農場などがあるKurkku Fieldsのツアーをしてもらい、自分で野菜を収穫し、晩御飯のバーベキューで食べることができます。

草間彌生さんのミラールームもあります。ミラールーム、一年でルイジアナ美術館とKurkku Fieldsの二箇所で見れてしまった。しかも、Kurkku Fieldsはミラールームの見学予約をしてあって、ツアーでもミラールームが含まれていたので二回も見れてしまった。ちなみにルイジアナのミラールームは床に水が張ってあるのが特別で、Kurkkuのミラールームは屋外にあってところどころに穴があるのでそこから屋外の明かりが入るのがユニークです。

AirBnBで、旅をする

AirBnBは、その土地らしい家に泊まることができたり、地元の方に出会うことができたりするのが醍醐味で、私はよく使っています。

・フランスのニースでは、ニース駅前のアパートを拠点に、エズ、ペイヨン、モナコ、ヴィルフランシュ・シュル・メール、サン・ポール・ド・ヴァンス、アンティーブ、カンヌ。。。と南仏のあちこちを見てまわりました。そんなニースの家では、ウクライナ難民の母子を受け入れていました。テレビのニュースで見ていたウクライナ難民の方達はヨーロッパ各地に避難して戦火は逃れられたけれど、家や仕事が見つからず苦労している人が多かったのですが、幸せに暮らしている親子を見ることができてホッとしました。(旦那さんがベラルーシ人なので来れないのが問題なのですが。。。)「今日はどこに行ってきたの?」と聞かれて難民の方に楽しく観光してきた話をするのも気が引けるものの嘘をつくわけにもいかないなあとも思い、正直にどこに行ったか話すと、「あそこのビーチはいいわよね!私も息子を連れてよく行くのよ」と返ってきて、ああこの人は息子さんとビーチに行く余裕があるんだなとますますホッとしました。AirBnBのオーナーに難民の人を受け入れてて偉いね!と言ったら「私なんてたった一組しか受け入れられてないもの、全然よ」との回答でした。。。頭が下がります。

・サントリーニで有名なのは洞窟建築なので、今回は青い屋根のいわゆる洞窟建築のAirBnBに泊まりました。最高でした! 家自体も素敵だし、有名なフォトスポットの真下という好立地で、昼も夜もどこ見てもフォトジェニック。なお、サントリーニのフィラの街にはなんと住所がない上に迷路のようになっていて、自力でたどり着くことは不可能。街につくとわざわざお迎えを出してくれるというのもサントリーニならではの体験でした。

サントリーニ島は近年観光産業がものすごいことになっており、別々の街だったのがお店やレストラン、ホテルが連なり切れ目がなくなってしまったほど。 私もフィラという街からフィロステファニという街に歩いていったら、つながってしまっていて境目はありませんでした。私が泊まったAirBnBのオーナーもなんと40軒の物件を持っているそうです。

・コペンハーゲンは、美食の街として知られています。「世界で最も優れたレストラン」として有名な『Noma』や世界レストランランキング一位をとった『Geranium』、予約が全然取れないことで有名な『alchemist』など、どれもコペンハーゲンにあります。予約したときは知らなかったのですが、コペンハーゲンで泊まったAirBnBのオーナーはなんとかつてNomaで働いていたシェフでした(!)キッチンを自由に使っていいよと言ってくれたのですが、天井近くからぶら下げられている鍋やフライパン等の調理器具、作業台に据え付けられた鉄製のラップホルダーとか、「シェフのキッチン」って感じ。今は子供が産まれたのでNoma時代みたいな働き方はできないため、バーガー屋を経営しているとのこと。

コペンハーゲンで暮らしていると、Nomaがあちこちで言及されていることに気づきます。デザインミュージアムに展示されていた、Nomaで使われていた貝殻等そのままの食器。美術館にはNomaで使われていたランプ。AirBnBのオーナーに「近所にオススメのレストランある?」と聞いたら「Nomaを退職した仲間たちでやっているラーメン屋さんがあるよ!」さすがにコペンハーゲンまで来てラーメンは食べないなあとは思ったものの、家のすぐ近くだったので通りがかったら行列ができていました。

・ノルウェーを旅していると、とても素敵な新しい建築物をよく見かけます。ベルゲンで泊まったAirBnBのオーナーさんはフリーランスの建築デザイナーでした。ノルウェーはとても寒いので、家にいる時間が長いため、家に対するこだわりが高い人が多く、引っ越しする人も多いし湖の湖畔や山などにセカンドハウスを持つ人も多いとのこと。贅沢じゃのう。。。

ただ、ノルウェー民族博物館で学んだのは、第二次世界大戦でノルウェーはナチスドイツの侵略を受け、ロシアからの砲撃も受けまくり、フィンマークと北トロムソは人口7万人に対して1万人分しか住める家がないという状態になってしまったとのこと。新しい家が多い理由はそんなところにもあるのかもしれない。

オスロのAirBnBも素敵なお部屋でした。

ホテルで、旅をする

面白いホテルに泊まるのも大好きです。ストックホルムでは、毎日ホテルを変えました。

一泊目は昔刑務所だったところを改造して作ったホテル。

二泊目は接岸された船を改造して作ったホテル。

三泊目は飛行機を改造して作ったホテル。せっかくなので、私はジェットエンジンだった部屋に泊まりました。

トルクメニスタンへはウズベキスタンのヒヴァから行きました。ヒヴァはかつてたくさんの「マドラサ」と呼ばれる神学校があったのですが、今回はそのマドラサの一つを改装したホテルに泊まることができました。

チャイナマネー

ウズベキスタンのヒヴァは2018年にも来ていて、当時はリアルドラクエのようなとてもかわいくて素朴な街だったのですが、今回訪れたらものすごく開発が進んでいました。特に門のところに自動改札機みたいなのができていて、まさか街ごと有料化?とドキドキしました。開発はやはりチャイナマネーで進められているらしく、工事現場には中国語の看板も。ウズベキスタンは一帯一路の参加国でもあります。

スウェーデンのストックホルムでも宿の近くで大規模工事を行っており、大きなホテルの入った一大商業施設が建つ予定らしい。あたり一帯がかなり広範囲に工事現場になっていました。バスの運転手さんから声をかけられる。「どこで降りるの?ああ、そこは工事中だからバス停は違うところになってるからね。君たちのおかげでこういう建設が行われて、本当にありがたいと思ってるんだよ。ありがとね。」と。「君たちのおかげ」ってなんじゃろと思ったら、私は中国人と間違われており、チャイナマネーで建設工事が行われていることへの感謝ということのようでした。

今は不動産不況にあえぎ、日本の失われた30年の再来とも言われる中国経済ですが、インフラ工事は時間がかかるので不況に入る前のチャイナマネーの影響が今も世界各地に残っています。

ADDressで、旅をする

今年も、住まいのサブスクサービス「ADDress」を使いながら、日本国内をあちこち旅をしました。普通の旅だと、何か目的があって旅に出るわけですが、ADDressに加入しているとそこに何があるかよく知らないけど、ADDressの宿があるから行ってみて、行ってからそこの土地の面白いものを探す、という逆の形の旅になります。

ADDressでも、「その土地ならでは」な宿が私は好きです。

・例えば、尾道といえば坂道とレトロの街。というわけで一泊目は千光寺にほど近い坂道の上の古民家のADDressに泊まり、お寺巡りをしつつ更に坂を登って夜景を見たり、早起きして朝日を見たり。

尾道の二泊目は昔は遊郭だったというおうちに泊まりました。

尾道では、昔何かに使われていた建物をリノベーションして全然別の用途のお店として使っている、ギャップが面白いお店が多いような気がします。

例えば、深夜23時の開店を待って訪れたのが23時から午前3時までしか営業していない元病院の古本屋さん「弐拾dB」。お店の中は撮影禁止なので、3枚目は記事のスクリーンショット。病院の内装そのままに本がたくさん並ぶ不思議空間。

「大和湯」は表から見ると銭湯にしか見えないけど、今は中華レストラン。小籠包はオーダーすると一つ一つ皮から作ってくれます。

2日めはレンタサイクルを借りて、しまなみ海道をひた走ってみました。尾道からフェリーで向島に渡り、そこから因島、生口島、大三島の大山祇神社へ行って、瀬戸田からフェリーで尾道まで帰ってきました。

尾道から東京への帰りは鞆の浦に寄り道。常夜灯や福禅寺 対潮楼、坂本龍馬への愛に溢れるいろは丸展示館などに行ってきました。なんとポニョのロケ地だったとは。。。!

・南伊豆といえば温泉。街を歩いているだけで、そこかしこに白い湯煙が立ち上る。南伊豆のおうちは、家に源泉かけ流しの温泉があって、24時間我が物顔で入り放題!

そして帰りは下田に寄り道。

・葉山といえば皇室の御用邸があったり、お金持ちの別荘が多いセレブな土地なのですが、葉山のADDressは丘の上から街と海を見下ろせるセレブなお宅。一色海岸まで歩いていけば、富士山と夕焼けも見ることができます。

翌日はお友達の野間さんが起業したスタートアップ「エバーブルー」が作った水上ドローンが森戸海岸で行われる水上オートバイ歳末パトロールに参加して実機デモをするとのことなので、てくてく歩いて見学に行きました。

レスキューの皆さんいわく、海上レスキューの世界もなかなか若者が来てくれず、高齢化が進んでいるとのこと。40代〜60代で回しているので、水上ドローンが実用化されれば手助けになりそうです。

・小田原の拠点は小田原城のすぐそば。泊まった翌朝は早起きして海からの日の出を拝みつつ、箱根や芦ノ湖にも足を伸ばしてみました。

・普通、旅行するときは「場所」をメインに考えますが、ADDressは名物家守さんに会いに行く。。。という「人」を中心とした旅があるのも独特です。たとえば「用宗」の家守の八木さんはADDressの2023家守アワードを受賞した名物家守さん(右)。そして福島のツアーでご一緒したふーみん(左)は7大陸の最高峰を登頂するチャレンジ中(セブンサミット)で、キリマンジャロやエベレストも登頂済の登山家。ちょうど南極に出発するところでキャッチアップできました。その後ちゃんと南極大陸最高峰のヴィンソン・マシフ(標高4892m)に登頂成功されてます。おめでとうございます!

・ADDressで日本全国に200軒ぐらいおうちができるので、何かが起きると色々なことが「自分ごと」になります。

2024年の元旦に能登半島地震が起きたら、すぐに氷見の家守さんが現地の様子や写真をコミュニティにレポートしてくれました。拠点は大丈夫だったものの、周辺には倒壊した家、液状化したところもあるようです。

テレビでは避難所がいっぱいで入れず、寒そうなビニールハウスで生活している方達がおられることも報道されていました。そんな中、金沢の拠点は被災はしたものの被害も少なかったとのことで、1月4日には被災した方の二次避難所として宿泊と食事の無償提供を開始。当初は14日までの対応のつもりが、行政の対応が追いついていないようで31日まで延長、40人受け入れたのがどんどん増えて今や約80人の被災者を受け入れた結果、支援物資の仕分けやお食事の準備をする手が足りない(そりゃそうだ)。そもそも1月は閑散期なので閉館してリノベーション工事を入れる予定だったのを、急遽キャンセルして被災者を受け入れ始めたため、スタッフは長期休暇から呼び戻されたり、他の仕事を入れてしまって戻ってこれなかったりのてんやわんやで絶賛人手不足。ということでADDress会員がみんなで代わる代わる数日ずつ、ボランティアでお手伝いに駆けつけることに。私も3日ほどボランティアに行き、ご飯を一日16合(!)炊いたり、支援物資にじゃがいも・にんじん・たまねぎが来ていたので、お肉やカレーの材料を買いに行って大量のカレーを作ったり、ゴミ出しをしたり。もちろん我々だけでは回らないので、お隣のレストランがパスタを差し入れてくださったり、お料理ボランティアさんがクリームシチューや副菜を差し入れてくださったりしました。ありがたや。

被災者の方は珠洲や穴水など、色々なところから避難してきていて、地元への往復にものすごい時間がかかるので帰ってきたらヘトヘトだったり、家探しと仕事探しと子どもの学校探しを並行してやっててヘトヘトだったりで、食事を作る気力もなく、無料で食事を出してもらえるのはとても助かるとおっしゃっていました。また、ゴミ出しをしているとオムツのゴミがとてもたくさん出て、ちっちゃい赤ちゃん連れで被災して大変なお母さんが何人もいるんだなとも思いました。

ふるさと納税で、旅をする

ふるさと納税はたいていホタテとかイクラとか美味しい食べ物をもらっていたのですが、現地に行く「体験型」のふるさと納税をいくつか入手してみました。食べ物は食べたら終わりですが、現地に行くことで宿泊や食事でお金が落ちるし、当地への愛着がわけばリピーターも生まれると思うので、寄付以上に現地の収入になるのではないかと思います。

2023年は石垣島に2回行きました。一度目は2月のシーズンオフに行き、石垣島を拠点に毎日島巡り。小浜島、竹富島、西表島、由布島などをめぐりました。

二度目は石垣島でダイビングができるふるさと納税を使って、ピークシーズンの夏に行き、ダイビングをしました。なんと記念すべき50ダイブ目を海の底でお祝いしてくださいました!

今年は北朝鮮の「衛星」発射も多く、石垣島にPAC3が配備されることに。ダイビング終了後、「そこを歩いていくとPAC3があるよ!」と言われてテクテク歩いていったら本当にあった。。。

京都も二回行きました。2022年に「時代祭」を見に行ったのですが、地元の方に「京都で祭りと言ったら祇園祭りでしょ」と言われたので、2023年の夏は「祇園祭」に合わせて行ったのですが、2021年のふるさと納税で「京都の旅行券」を入手していたので、それを使うことができました。祇園祭はものすごい人でした。。。!

そして秋には京都で開催されたInternet Governance Forumに参加してきました。

Internet Governance Forum

秋には京都で開催されたIGFに参加してきました。2023年は色々なtech系カンファレンスに出席すると生成AIの話だらけだったのですが、ここでもやはり生成AIが話題の中心に。MetaやGoogle、Microsoftなどの民間企業のAI担当者や各国政府機関、国際組織など、世界中のありとあらゆるステークホルダーが集まって議論が行われました。

珍しいところだと、「ポーの一族」の作者、漫画家の萩尾望都さんも「ストップ海賊版」でいらしてました。

メインのセッションについては記事がいっぱい出ているので、個人的なツボだった、マイナーなこと3つ。IGFは大臣とか大企業とかも来るのだけれど、本当に色々な立場の人が世界中から来るのが面白いのです。

・小さな、ライブストリームもされない10人ぐらいしかいない小部屋で行われた「How deep is your fake: Online Fraud Techniques」というセッションに参加してみました。スピーカーも聞いたことがない人。自己紹介でまず度肝を抜かれます。「私はロシア政府から資金提供を受けている、3000人のロシアのシンクタンクで、フェイクニュースと戦う仕事をしています。」フェイクニュースとの戦いの最前線!こんな話、IGF以外ではなかなか聞けません。

・ランチタイムに、たまたま隣に座った人がTorのTシャツを着ていたので、「あなたTorで働いてるの?」と声をかけてみたら、「僕、Torを作った人だよ」。なんとTorの共同創業者のRoger Dingledineでした。失礼しました。。。!せっかくなので、一時間ぐらい質問攻めです。Torとロシアの攻防、中国とのいたちごっこ、ロシアや中国よりやっかいな国の話など、めちゃめちゃ面白い!!

・私のIGFとの馴れ初めは、2012年にアメリカのGoogleで働いていたときに、当時同僚だったVint Cerf(インターネットの父)からの「昔のIGFで語ったとても重要な内容が何も残されていない。カメラが回っているのは見たのに、ここ数年言い続けてきたのに、全部なくなってしまっている。どうにかしてくれ!」という依頼でした。結局IGFの事務局に私がかけあって、ジュネーブの国連本部に数日間通勤し、過去の動画を発掘し、YouTubeにアップして、テーマ毎のまとめサイトを作りました。そうした作業をずっと私がするわけにもいかないので、“Friends of the IGF” という団体を作り、APNICの方に引き渡すという突貫プロジェクトをやりました。というわけでその時のIGFの事務局長Chengetaiが10年以上たった今も在任中だったので10年ぶりに記念写真。

City Tech Tokyo

City Tech Tokyoというイベントにも参加しました。最近は自分がまったくの門外漢な物について学ぶのがとてもおもしろいと思っていて、この日私が一番面白かったのはなんと核融合のスタートアップのお話でした。言葉は聞いたことがあったけれど全然知らない核融合の現在地と日本の戦い方について、学ぶことができました。Bill Gates、Jeff Bezos、Sam Altmanなど、アメリカの富豪達がこぞって桁違いの投資しているのでど真ん中ではとても勝てない。これが現実。だけど、核融合炉ができたその周辺事業では勝てるかもしれない。

「空飛ぶクルマ」SkyDriveの現物も初めて見ることができました。

Creative Commons 20周年イベント

Creative Commons が20周年を迎えたということで、「クリエイティブ・コモンズの現在地、シェアの未来」というイベントが開催され、私も登壇してきました。

Happy 20th anniversary, Creative Commons!!

Mapbox Meetup

地図業界からはだいぶ離れていたのですが、久々にmapbox / OpenStreetMap 忘年会 meetupに参加し、トーク部分で登壇してきました。

人を移動させる努力とさせない努力。位置情報ゲームならではの面白さと苦労が語られた「mapbox/OpenStreetMap 忘年会 meetup #14」

Guido Meetup

Python産みの親であるGuido Van Rossumさんの来日に合わせて開催された「Guido Meetup」に参加。Guidoから「一方的に話すのではなく交流したい」との要望があったそうで、Guidoの講演はなく、事前に集めたGuidoへの質問に回答するコーナー、Guidoに日本人エンジニアたちが自分が作ったものをプレゼンしてGuidoからコメントを貰うコーナー、Guidoとのlive Q&Aという構成。

マイクを持つ人がみんな「Pythonのおかげで人生変わりました。」「Guido、ありがとう!」とかの一言がある、Python愛・Guido愛にあふれたミートアップでした。「Guido、日本にきてくれてありがとうステッカー」も。

Syn:身体感覚の新たな地平 by Rhizomatiks x ELEVENPLAY

TokyoNODE開館企画のイベント。写真では全く伝わらないけど、素晴らしかった!没入感もすごいし、このTokyoNODEという会場の強みを活かしまくったショーケースにもなっていたので、演出をする人たちはこれを見てこの会場であんな企画をやってみようというアイディアがほとばしりまくっていたのでは。豪華すぎてこれをもう一回やるのはちょっと難しいと思うので、見ることができてよかった。

クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ

いやもう圧巻です!一つ一つの作品も素晴らしいのだが、時代性のストーリーとかデザイナーをフィーチャーしたりとか、空間の作り方とか、色々すごかった。

Kaikoku

日本のポテンシャルを最大限発揮し、世界を目指すには、実は地方企業が鍵である、と。そして地方企業が地方を超えるために、都市部のプロ人材を複業でマッチング採用するためのスカウトサービスが「チイキズカン」。NewsPicksのCEOだった坂本さんが立ち上げたサービスです。

そしてNewsPicksとチイキズカンが共催で開催したイベント 「KAIKOKU-開国-」は、 全国から有力企業が集結し、 首都圏を中心にした経営人材とマッチングするというイベントでした。まず地方企業のCEOの皆さんがピッチを行い、その後ディスカッションエリアに移動し、経営人材がCEOと議論を行い、このCEOと1on1を行いたいと思ったら黒船チケットを渡し、マッチングしていくという流れ。面白かったです!

Space Week 2023

宇宙産業は全然詳しくないのですが、宇宙産業の皆さんのイベント「Space Week 2023」に参加してきました。「SpaceX一強の中で、日本勢はどうするよ」という議論も出ていて、SpaceXも実はNASAが作ったエンジンを使って成功したわけで、JAXAも今後は知見の共有や標準の公開、JAXAの失敗例も宇宙スタートアップの皆さんに共有する、とおっしゃってました。日本の宇宙スタートアップ、頑張れ!!2024年には「日本初の月面ロボット」として有名になったタカラトミーの「SORA-Q」も去年はまだあまり知られておらず、私もコントロールさせてもらいました。

BitSummit

生成AI「を」使って開発されたゲームは増えていますが、生成AI「が」作るゲームというのを見ることができると聞いてBitSummitというインディーゲームのイベントに行ってきました。ユーザーが基本情報を入れると、生成AIが勝手にゲームの登場人物を作ったりそれぞれの登場人物のシナリオを作ったりしていくというもの。開発会社の方も、どんな物が出てくるのかわからないといいます。

それ以外にも、瓶を振るのがインターフェースのゲームとか、段ボール板にトイレットペーパーを乗せ、それでコントロールするのがインターフェースのゲームとか、インディーゲームのカオスっぷりが面白いイベントでした。

イベントいろいろ

超久しぶりのWonder Festivalでは、ARフィギュアにびっくり!

明和電機の「neo盆踊り」、「Maker Faire」に「Interop」、「CEATEC」、「あつまれ!えばら」、MPLUSPLUSの「Embodiment++」、「産総研一般公開2023 inつくばセンター」など、あちこち行きました。

大人の社会見学

東京証券取引所、日銀本店、造幣局、皇居、JALの整備工場、東京ジャーミーなど、大人の社会見学もあちこち行きました。

色々な友達の会社に訪問させていただきました。また、2023年はオフィスだけではなく、現場も見に行きたいと思って、いくつかお邪魔してきました。

例えば、Google時代の同僚が、当時はGoogle Mapsのエンジニアだったのですが、独立してPCR検査の会社を立ち上げ、社長さんをしていると。しかも日本で数社しかない中国政府が認定するクオリティのPCR検査会社で、マラソン大会の全員検査も引き受けているという。。。すごすぎる。せっかくなので検査結果を分析するラボとか、マラソン選手たちが検体を提出しに来る競技場の現場とかを見学させていただいたり、ミーティングに参加させていただいたりしました。

更に、仕事以外でもボランティアで若いエンジニア達に無料でGAFAM等の入社試験を突破するためのテクニックを伝授する会を開いていると聞いて、そちらも見学に行ってきました。模擬面談をみんなの前でやったり、模範解答を元Googleのエンジニア達が披露したり、イベント後もオンラインコミュニティで若者たちのLeetcodeの添削をしたり、しかもこれは全部将来をしょってたつエンジニア達を育てるためのボランティア活動。素晴らしい。。。!

資産運用

ファイナンシャルリテラシーを上げるために、一昨年から資産運用をしてみています。基本的には定番のインデックス投資だけど、すこーしずつインデックス以外の色々な投資を勉強目的&手触り感重視でやってみました。

いくつかの個別銘柄を少しずつ購入してみて、あちこちの株主総会に出席してみました。これがとてもおもしろい。業種を分散しているので、自分が全く何も知らなかった産業について学ぶことができる。スマホでポチポチ買っているときには気づかないのですが、株主になるということはその会社のオーナーになるということです。株主総会ではオーナー達に向けて、その会社の「ベスト・オブ・ベスト」をプレゼンしてくれるのを聞ける。また、株主総会で、上場企業の社長さんに1:1で質問をできるのも株主の特権といえるでしょう。最初は様子見で黙っていたのですが、最近はどんどん質問するようにしています。平日昼間の開催なので、学生さんや会社勤めの人には決して参加できない構造なのは非常にもったいない。

また、株主にもっと自社のことを知ってもらおうと株主向けのイベントも色々開催されていて、これらもなるべく参加するようにしています。製品の紹介が聞けたりもらえたり、社員の方と話せたり、ラボや博物館を見学させてもらえたり、IR部長との質疑応答時間があったり、数字ではない生身の人たちが毎日頑張って事業を営んでいる実態に触れることができます。

また、投資活動を通じて、色々勉強することも増え、ファイナンスや経営についての本、投資についての基礎や様々な産業についての本や経営者についての書籍など、いろいろな本を読み始めました。これまた面白い。一番おもしろかったのは「半導体戦争(Chip War)かな。

作者のChris Miller出演のpodcastも面白かった。

Inside the global battle over chip manufacturing

投資は初心者なのでゆっくり勉強しつつ、10年後ぐらいにいっちょ前の投資家になれてたらいいなあぐらいのスローテンポでやっております。

健康第一!

5月に新型コロナが5類になり、雨後の筍のようにたくさんのフィットネスジムがオープンし始めました。私もコロナ前までは通っていたティップネスを退会していたので、7月に改めて新しくできたジムをあちこち見て回ったところ、色々特徴があって実に面白い。

今はChocoZAPに通っています。三日坊主になりがちなので、「毎日じゃなくてもOK!5分でも大丈夫!」とハードルを下げてくれるのがありがたい。

一年経つごとに一歳ずつ年寄りになっていくので、健康には気をつけねば。

健康でないとレースもできないので、元気なうちに久々にレーシングカートにも乗りに行きました。

夜のポケモンスリープ・昼間のポケモン GO

健康といえば、運動に加えて睡眠です。会社員だった頃は「24時間戦えますか」状態のウルトラショートスリーパーで、会社員をやめてからはマシになったものの、ついつい夜中に何かやり始めると睡眠時間が短くなっていました。そこで始めたのが「ポケモンスリープ」。深夜になると「カビゴンとの約束の時間だよ!」と寝なさいの催促が入るので、朝までぐっすり眠るようになりました。

ポケモンGO関連イベントもあれこれ参加しました。

Pokémon World Championships 2023。2022年はロンドンで参加しましたが、2023年も横浜で参加。

Pokémon GO Fest 2023 Osaka。2022年は札幌で参加しましたが、2023年も大阪で参加しました。

そしてPokémon GOの新しいルート機能を使った浅草のイベントも行ってきました。

Googler / Xoogler コミュニティ

Googleを退職してからもうだいぶたつのですが、2023年も「Google for Developers Japan Community Summit」や「Xoogler Meetup」、「Google for Startups 2023 Year End Alumni and Community Gathering」など、さまざまな Google Japan 関連のイベントに参加させていただきました。ありがとうございます!

2023年のできごと

2023年も、世の中では色々なできごとがありました。

ロシアによるウクライナ侵攻は終わりが見えず、10月に始まったイスラエルとハマスの戦闘状態も長引いています。もうすっかり忘れそうになっていたけど、ロシアで「プリコジンの乱」があったのも2023年でした。

経済の世界では、クレディ・スイスの破綻とUBSによる買収。シリコンバレー銀行とファーストリパブリック銀行の破綻。よく乗り切った。。。日本では、日銀の黒田総裁が退任して植田総裁に。新型コロナウイルスが5類に分類され、経済が戻ってきました。福島第一原発処理水の海洋放出で中国への輸出ストップによる打撃や中国の不動産不況。産業のコメ半導体業界が生成AIの台頭により急成長、Nvidiaの株が急騰。台湾リスク回避のためTSMCが熊本に工場を、日の丸半導体のラピダスが北海道に工場を建設し、地元経済が活況に。

政治の世界では、広島G7サミット開催、原爆ドームを各国首脳が訪問。中国では習近平体制が前代未聞の3期目へ。アメリカ上空に中国の偵察気球が飛来し、米軍戦闘機が撃墜するという事件も。

ビッグモーター問題、ジャニーズ性加害問題と解体、自民党の裏金問題。。。と不祥事も色々ありました。web3の世界ではFTXの破綻にSBFの逮捕と裁判、BinanceのCZの有罪答弁と辞任などがありました。

Tech業界では「さようなら、青い鳥」。。。2022年のElon MuskによるTwitterの買収以来、大量解雇、上場廃止、数々のサービス変更、「X」への名称変更。Twitterからの流出先としてMastodonが見直されたりNostrやBlueSkyがローンチしたり、MetaによるThreadsが開発されるなど、色々ありました。

スポーツの世界では、WBCで侍ジャパンが世界一に。「憧れるのを、やめましょう。やっぱ憧れてしまったら超えられないんで。今日、超えるために、トップになるために来たんで。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう!!」。。。そして有言実行。かっこよすぎる。WBCで大活躍した大谷翔平選手は7億ドル(発表時レートで1015億円)の契約でドジャーズへ。つくづくすごい!

こうして見ると色々ありましたが、やはり2023年は生成AI台頭の年でした。

生成AIイヤーだった2023年

2022年11月のChatGPTローンチによる大ブレイク以降、史上最速で利用者1億人を突破、1月にはマイクロソフトから100億米ドルの追加投資を受け、MSが49%の株式を取得($29 billion valuation)。3月にはGPT-4をリリース、11月にはDev Dayの開催やGPTsのローンチと快進撃。

What OpenAI Really Wants

その横では3月にGoogleがBardをローンチ。Reid HoffmanがDeepMindのco-founderだったMustafa SuleymanとInflection AI($4 billion valuation)を立ち上げてフレンドリーなAI ”Pi”をローンチ、OpenAIのboardを辞任。OpenAI離脱組がAnthropicを立ち上げて”Claude”をローンチ、$1.5 billionの資金調達の後、Amazonから$4 billion、Googleから$2 billionの出資を受けるなど、群雄割拠が始まりました。

AIは強力なテクノロジーであるがゆえに、2023年はAI規制についてもかなり議論が出た年でした。イギリスでは AI Safety Summit が開催され、ホワイトハウスも “Executive Order on the Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence”を発行したり、AI規制に関する議論が至るところで行われました。

“AI is too important not to regulate, and too important not to regulate well. “ほんそれ。。。

OpenAIが天才的だったなあと思うのは、2022年のChatGPTのローンチタイミング。もともとGPT-3.5自体はとっくの昔にローンチ済で、社内ではこれで世間は驚かないと思われていた。GPT-4の開発を待ってから満を持してChatGPTをローンチしようとしていたところ、急遽「GPT-3.5ベースでChatGPTを出すぞ」となり、突貫で仕上げて11月にローンチ。tech業界あるあるで、社内・業界内では化石でも世間にとっては魔法というものは結構多い。生成AIを使ったchat botを開発している会社は他にもあったので、GPT-4の開発終了を待ってからローンチしてたら世界線は変わっていたかもしれない。一旦GPT-3.5ベースでChatGPTを出し、既にとっくに開発に取り掛かっていたGPT-4を続いて出すことで、大きなPRビートを二発作れた上に、開発ペースがめちゃめちゃ速いという錯覚をもつ人たちもいた。そもそもGoogleは2012年から「AIカンパニーに、俺はなる!」宣言をしていたしTransformerもAlphaGOも作っていたAIの第一人者だったのに、ChatGPTのリリース以降はOpenAIに対して後手後手になってしまった。

もう一つSam Altmanのすごかったところは、議員への根回し。tech業界では、2020年にGoogleのSundar Pichai、MetaのMark Zuckerberg、AmazonのJeff Bezos、AppleのTim Cookが揃い踏みで議会証言をしたときの印象が強い。各社はもちろんロビーイングはしているのだが、議会証言の際にあまりに議論が噛み合わず・深まらず、議員達はITリテラシーが低すぎるとして国民にバカにされる事態となった。その点、Sam Altmanはしなやかだった。議会で証言する前に、議員たちを集め、AI についての基礎知識を叩き込み、議員たちがバカな質問をせず、意味のある議論ができるように知識の底上げをしてから議会に向かった。あらかじめ面識があるし、自分たちを助けてくれる人と認識されているので、議会証言でも議員達はSam Altmanを「Sam」とファーストネーム呼びしている。実に鮮やかだった。

そんなSam AltmanがCEO退陣に追い込まれるという11月の「お家騒動」もすごかった。

11月17日、金曜日に取締役会によってSam Altman CEOの電撃解任、Greg Brockmanも取締役解任。週末にかけて、Mira Muratiを暫定CEOに→Emmett Shearに交代、並行してSamが別会社を設立するという話からMicrosoftに転籍するという電撃発表とOpenAIに戻るという交渉が行われていて正にカオス。社員のほぼ全員が「現在の取締役達が全員辞任しない限り、Sam Altmanと共にMicrosoftに移籍する」というopen letterにサインしたのも前代未聞。

結果的にはSam AltmanがCEOに復帰し、Bret Taylor、Larry Summers、 Adam D’Angeloの3人が初期の取締役になり、Microsoftがオブザーバー権を得ることに。

この間、一挙手一投足がニュースになり、ツイートやPodcastで中の人の話がどんどん出てきてものすごい騒ぎになっていました。

OpenAI announces leadership transition

Sam Altman returns as CEO, OpenAI has a new initial board

さすがの対応だったのがMicrosoftのSatya Nadella。金曜日の午前、SamのCEO解任の直前にしか知らされず、土日に突入。週末の間に対応しないと月曜日には株式市場という地獄の釜が開き、Microsoftの株価が急落しかねない。そこで週末の間に出演したKara Swisherのpodcastですごいリスクヘッジをやってのけた。OpenAIと協業は続けるが、OpenAIがどうなったとしても、Microsoft側にIPも技術スタッフもサーバも全部あるので問題ない。Samがどうなっても、MicrosoftはSamと共に仕事をする。起業しても、OpenAIに戻っても、Microsoftに来てくれても、関係ない。一緒に仕事をするだけだ。騒動後はMicrosoftは取締役会のオブザーバー権を得ることで、こうした「サプライズ」が起きないよう手を打った。

Satya Nadella on Hiring the Most Powerful Man in AI When OpenAI threw Sam Altman overboard, Microsoft’s CEO saw an opportunity.

騒動の直前に開催したOpenAI Dev Dayの準備でてんてこ舞いだったため、本来社員たちはこの日はcompany holidayだったはずが、突如カオスのど真ん中に(気の毒すぎる)。そして、このときはちょうどliquidation eventの真っ最中。OpenAIの社員達は、報酬の多くを多額の株式という形でもらっており、それを投資家たちに売却できる期間というのが設定されていた。本来なら株を売ってミリオネアになれたはずが、Sam Altmanがおらず社員もほぼ全員いなくなると言っている会社の株式は紙くず同然に(気の毒すぎる)。当然OpenAIの投資家達も激怒である。元に戻せて本当によかった。

世界中の人々が「結局なんで取締役会はSamを解任したの?」と疑問に思っていたところ、張本人であるHelen Tonerがpodcastに出演して語っている。

Artificial: Episode 4, Behind Sam Altman’s Firing

それにしてもpodcastが豊作である。Samが解任される2日前に収録されたHard Forkのインタビューが解任の可能性すら感じさせない物で、ChatGPTローンチからの1年を振り返ってこれからを語っており、解任された直後に、「Samは解任されてOpenAIの人じゃなくなったけれど、そのまま公開しよう」という判断で公開されたpodcastもシュールだった。元に戻せて本当によかった。

‘I Think We’re Heading Toward the Best World Ever’: An Interview With Sam Altman

2024年は選挙イヤー

さて、2024年は世界的な選挙イヤーと言われています。最大の注目はもちろん11月のアメリカ大統領選挙で、ジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領の直接対決が予想されます。それ以外にも中国問題が取り沙汰される台湾、世界第4位の人口を誇るインドネシアの大統領選挙に世界第5位の人口のパキスタンの総選挙、世界最大の人口を擁するインドの総選挙。アフリカ最大の経済大国の1つの南アフリカに欧州連合(EU)の欧州議会選挙。ロシアとイランもそれぞれ大統領選と議会選挙が予定されています。

生成AIの台頭によるフェイクニュースの増大など、心配なことも多いですが、世界にとってよい一年になりますように。。。!

2024年は世界的な「選挙イヤー」 各国で大型選挙が目白押し

デジタルハリウッド大学の大学院教授

2024年の新しいチャレンジとして、4月からデジタルハリウッド大学の大学院で教授に就任することになりました。今までの経験をもとに、「グローバルプロジェクト特論」(予定)という授業を担当する予定です。がんばります!

2024年度の新任教員と科目新設のご紹介

新任教員3人の座談会の記事が公開されました!

2024年度の新任教員の座談会インタビュー

波木井先生はトライコーンを起業してセプテーニにバイアウトしたり、「世界中の拠点で100人のスタッフと100個のビジネスプランを統括した」すごい人で、そんな人から「アントレプレナー特論」を学べるのは超貴重。「私の授業に参加を希望する学生はおそらく自分のビジネスプランを持っている人が多いと思いますので、それらを学生と教員、また学生と学生で内容を揉んで、いいものに仕上げていこうと考えています。」って楽しみすぎる。

記事には載らなかったのですが、波木井先生のライフワークはトレジャーハンティングだそうで、沈没船からお宝引き上げたり海賊に遭遇したりと波乱万丈なお話も超面白かったです。

竹中先生はインターネット黎明期に坂本龍一さんとのネットライブとか村上龍さんとのWeb小説配信をやったり、OTOTOYとかBCCKSとか未来検索ブラジルのBrazilを運営している、日本のインターネットの酸いも甘いもずっと見てきたすごい人で、そんな竹中先生から「学生が次世代のネット社会をうまく泳げる、うまくいけば作れるような機会となるような内容としたい」という授業「デジタルテクノロジー原論」を受けられるのはめっちゃ貴重。

今は糸島で新しい街を作っているそうで、その話もものすごく面白かったです。あと2時間ぐらい聞きたかった。

素晴らしい同僚の皆さんと、ご一緒させていただくのがとても楽しみです。

Live long and prosper!

東京理科大学 経営学部 国際デザイン経営学科(IDM)のアドバイザリーボード

2021年の設立時から参加している東京理科大学 経営学部 国際デザイン経営学科のアドバイザリーボードも、引き続き2024年も担当させていただきます。

IDMはまったく新しい学科を作るというチャレンジをされていて、私は授業をやるのではなく、学科の運営に関わるアドバイザリーボードミーティングに参加し、新しい学科ゆえのチャレンジに対して色々な状況を聞いたりアドバイスをしたりというミーティングに参加しています。新設の学科なので、色々なものをゼロから新しい考え方で作っていたり、ユニークな成り立ちの学科なので、ユニークな人材が続々と育っていたり(例えばアドバイザリーボードのメンバーがインターンとして採用したら某有名企業の課題解決を提案から実行までこなしてしまったり)、これからも楽しみです!

従来の理論やアプローチでは経営や社会課題解決がままならなくなっている今。人が持つ潜在的な課題や気持ちなどのいわゆる「インサイト」を読み解く力が求められています。その資質を備えるスペシャリストの一つがデザイナーだとされており、その思考とセンスを経営に生かす「デザイン経営」が世界中で注目されています。国際デザイン経営学科は、これからの経営に必須となるデジタル技術に関する知識を培いながら、先を見通すことが難しい時代を切り拓くデザイン力を備え、創造性と国際性の豊かなイノベーションリーダーの育成を目指します。

2024年も「好奇心ドリブン」で楽しく頑張ります!

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Fumi
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Written by Fumi

Currently explorer. Ex-Niantic, ex-Google, ex-NTT, ex-Interscope, ex-Technorati and ex-Digital Garage.